アイドルグループ・乃木坂46の五百城茉央が主演するドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(カンテレ 毎週木曜24:15~/フジテレビ 同26:15~)の第9話が、5日に放送。SNSでは、「まさか叙述トリックだったのか!?」と驚きのコメントが上がった。
犯人だと名乗る一人の女性が、捜査本部の刑事・梶谷(武田梨奈)を訪ねてくる。日本中を震撼させている連続殺人犯を追っている梶谷は「いたずらなら、かまっている時間はない」と、けん制するが、その人物は、「これ以上、被害者は出ないと思う」と、1冊のノートを差し出す。そこには、これまでの被害者のデータや殺害場所、死体を遺棄するまでの流れなど、警察が握っている情報よりはるかに詳しい内容が記されていて、書いたのは連続殺人事件の犯人だという。
「知っていることをすべて教えてほしい」…ノートを読んだ梶谷はそう言って、清爛学園とその周辺で起きた6年前の連続殺人事件について、振り返るように話し出す。すると女性は、容疑者の黒川(山村隆太)に魅せられた生徒がいたことを明かし、その人物が学園内でささやかな犯罪を起こしはじめ、やがて連続殺人鬼になったと話す。
それを決定づけたのは、清爛学園1年A組の生徒が一堂に会した同窓会。一人の生徒が黒川を揶揄したミーム動画を拡散し、心ない言葉を吐いたことで、犯人はタガが外れてしまったといい…。
叙述トリックとは、読者の先入観や思い込みを利用し、一部の描写をわざと伏せたり曖昧にぼかしたりすることで、作者が読者に対してミスリードを仕掛けるという、ミステリ小説でよく見られる手法。ゆえに映像作品では困難とされ、意表を突かれた視聴者から「オリジナルドラマで叙述トリックを用いるのはサプライズすぎる!」などの声が多く上がっていた。
これに、過去に名作ミステリを映像化し成功した配信ドラマ『十角館の殺人』を例に取り、「叙述トリックなら『十角館の殺人』ぐらいうまくやらなきゃ」と苦言を呈するマニアもいたが、コメントのほとんどは、「仲野茜が仲野茜じゃないのは完全に騙された」「まさかそう来たか!騙された」「もう頭の中、ゴチャゴチャ」「過去回を丁寧に見ないと追いつかない展開になった」と大混乱しながらも喜々としてポストしていた。
また、作品の最大の謎が明かされたにもかかわらず、「よりわからなくなった」「わかったことわからないことが多すぎる」「これ、どうやって話をたたむの?」「結局誰が誰?」「時間軸以外にもう一つ仕掛けがあるとは」と最終話に期待が寄せられている様子。
視聴者が大混乱の様相を呈している『MADDER その事件、ワタシが犯人です』。次回の第10話(最終話)は、FODで先行配信されている。
【編集部MEMO】
『MADDER その事件、ワタシが犯人です』第10話(最終話)あらすじ
依原(五百城茉央)は、茜(水野響心)のノートを使い、茜の犯罪を追体験したことを明かす。それは創立以来初となる入試全教科満点で超エリート校の清爛学園に入学し、黒川(山村隆太)に心酔して学園内で次々と小さな事件を起こした挙げ句、身元不明だった殺人事件の被害者を黒川の元恋人だと突きとめたこと。さらに、黒川が容疑者として逮捕された6年前の連続殺人事件で、最初の被害者・浦田遼子(佐藤みゆき)を殺したのは自分だと自供する。
母親に女手ひとつで育てられた依原は、「勉強して、まっとうな人になってほしい」という母の願いどおり、小学生のころから清爛を目指して勉強一筋。しかし、いつしか自分より学力が低い人を見下したり、清爛合格後も、決して恵まれているとはいえない自身の家庭環境を卑下して、パート勤めの母親を学校から遠ざけたりするように。それは、清爛という特殊な環境で生き残るための彼女なりの武装だったが、母はそんな娘の変貌ぶりに激しく落胆。親子は言い争いになり、依原は意図せず母を階段から突き落として死なせてしまったという。そして翌朝、母の遺体は公園で左腕が切断された状態で見つかり…。
黒川はなぜ、依原に代わって罪を背負い、続く篠崎(吉名莉瑠)殺しという凶行に及んだのか。そして、その黒川に魅せられ、連続殺人鬼と化した茜の行方は――!?
黒川と茜と依原、最後の対峙(たいじ)がもたらす結末は希望か、あるいは――!?
(C)カンテレ