第13話「お江戸揺るがす座頭金」では1777(安永6)年から1778(安永7)年の様子が描かれた。

今回のテーマはずばりカネだった。鱗形屋や森忠右衛門、屋敷や娘を売った武家など、借金に翻ろうされる人々に焦点が当てられた。また一方で、彼らから暴利をむさぼり巨万の富を蓄えた鳥山検校が、お瀬以の愛を得られず苦しむ様子に注目が集まった。そして幕府パートでは、カネを扱う当道座をめぐり、田沼意次が長谷川平蔵宣以とともに起死回生を図る。

注目度トップ3以外の見どころとしては、前回、またもや足抜けを図った小田新之助(井之脇海)とうつせみ(小野花梨)の行く末を示唆するシーンが挙げられる。蔦重は絶対何か知ってるはずだ。そして、それはあまり良くない情報である雰囲気が濃厚である。また、松葉屋の女将であるいね(水野美紀)が平賀源内(安田顕)のもとへ押しかけ、担保としてエレキテルを持ち去る一幕もあった。

華々しく(?)再登場したカモ平にも注目が集まった。SNSでは、「平蔵がさらりとイケメン公言してるのウケた」「平蔵、再登場するたびにできる男になってる」「みんなのカモ平が帰ってきた!」と、人気キャラの言動に盛り上がりを見せた。前回登場した際は御書院番士だったが、今回は進物番を務めていた。進物番は大名や旗本などからの献上品や、将軍からの下賜品などを管理する役職で、書院番・小姓組から選抜された人員で任命され、選ばれるのは名誉とされていた。なにげにエリートコースを突っ走る平蔵はさすがだ。

そして今回、蔦重の新たな協力者として北尾政演(古川雄大)、のちの山東京伝が登場した。美人画をうまく描けた褒美に、吉原で遊ぶことを要求していたが、すでに女郎のリサーチを入念に進めており、冒頭で蔦重と常富が制作していた『娼妃地理記』にチェックを入れていた(笑)。「山東京伝がついに顔見せ!」「やっと山東京伝が出てきた」と、SNSでも話題となっている。

きょう6日に放送される第14話「蔦重瀬川夫婦道中」では、鳥山検校の屋敷に幕府の取り締まりが入り、その場にきた蔦重も巻き込まれてしまう。また、平賀源内のエレキテルには何の効果もないと疑いがかかる。