卒業後の心境の変化や生活面で変わったことなども聞いてみた。

「先日、飛行機に乗って、乃木坂46のライブを1人で観に行きました! マネージャーさんにも『1人で行ってきます』と言いましたが、ファンの方々もこうして前々からチケットを取ってくださって、いろいろな準備をしてライブに来てくださっていたのだなと改めて思いました。その時、ホテルまで電車で行きましたが、きっと会場の周りのご飯屋さんは混むだろうからと、数駅離れたお店を予約したのですが、そういうこともすごく楽しくて。今までファンのみなさんもこんな気持ちでライブに来てくださっていたのだなと初めてわかりました」

移動中はもちろん、会場でファンに気づかれそうな気がするが「全然バレなかったです。マスクに眼鏡、帽子を被っていたので(笑)。めちゃくちゃ楽しかったです!」とうれしそうに話す。

そして卒業後、改めてグループ活動のありがたみも実感したという。

「どんな時でもグループのお仕事があり、メンバーやスタッフさんがいてくださって、本当に大きな愛に包まれていたのだなと、もちろん当時から感じてはいたのですが、1人になってからより痛感します。また、今はグループの外側から、新曲はどんな曲なんだろう? と考えたり、新しく入ってくるメンバーのプロフィールを見たりと、客観的に乃木坂46を見られて、それはそれですごく楽しめています」

最後に自分の強みや、大切にしている信条について聞くと「自分がどんな人間なのかが、未だに全然分からなさすぎて」と告白。

「テレビに出ている顔や、家で1人ぼーっとしている時の顔、仲の良い友人といる時の顔など、それぞれまったく違うから、自分って何だろうというのは一生のテーマでもあると思います。ただ、友達やファンの方から『あなたってこういうところがいいよね』と言ってもらえたところはたくさん吸収したい。自分はこういう人間なのだと、人から見つけてもらっているので、あまり自分のことはわからないけど、みなさんに支えてもらって自分が成立しているんだなとも感じています」

仕事面でも「個人的にはまだ自分がどういうものに向いているのか、この先2年後、10年後、20年後に向けてどういう将来像を描いていったらいいのかがまだ見つかってないんです」と率直な気持ちを打ち明けた上で、「今はただ、ファンの方々やデビュー当時から応援してくださっているみなさん、いろんな媒体で私のことを見てきてくださった方々が笑顔になっていただけるような活動をしていきたいと思っています。エンタメの世界にいる限りは、そういったみなさんに恩返しができるように全身全霊で頑張りたいです。また、今年はパーソナルな部分、自分の内面というか、自分はこんな人間なんです、ということを表現できるようなお仕事もやっていきたいし、イベントの機会も増やしたいです」と真っ直ぐな目線で語る山下。今後のさらなる躍動ぶりに期待したい。

■山下美月
1999年7月26日生まれ、東京都出身。2016年に乃木坂46に合格し、24年5月に卒業。俳優としては、『日日是好日』(18)で映画初出演、『電影少女 VIDEO GIRL MAI 2019』(19)で連続ドラマ初主演に抜擢。その後、ドラマ・映画化された『映像研には手を出すな!』(20)、ドラマ『着飾る恋には理由があって』『じゃない方の彼女』(21)、『舞いあがれ!』(22)、『さらば、佳き日』(23)、『Eye Love You』(24)などに出演。現在ヒロインを務める『御曹司に恋はムズすぎる』が放送中。ダブル主演映画『山田くんとLv999の恋をする』が3月28日公開、ヒロインを務める『火喰鳥を、喰う』が10月3日公開予定。