3月は年度末という節目の時期。新年度を迎える前に、1年間の家計を振り返り、無駄な支出や改善点を見つける絶好の機会です。このタイミングで家計を見直すことで、無駄遣いを減らし、貯蓄や資産形成をスムーズに進めることができます。

日々の生活に追われると、意外と気づかないまま支出が増えていることもあります。例えば、1年前にはなかったサブスクの契約が増えていたり、食費や交際費が無意識のうちに膨らんでいたりすることもあるでしょう。

こうした支出を整理し、必要なものと不要なものを見極めることが、家計管理の第一歩です。家計をリセットするためには、まず現状の収支を正しく把握し、次に固定費と変動費の見直しを行い、最後に具体的な目標を設定することが重要です。それでは、詳しく見ていきましょう。

まずは家計の“見える化”から

家計リセットの第一歩は、現状の収支を正しく把握することです。家計簿アプリや銀行の取引履歴を活用し、以下のポイントをチェックしましょう。

・1年間の支出を振り返る:固定費と変動費の割合を確認し、どの支出が増えているかを把握する。
・無駄遣いの傾向を探る:サブスクや衝動買いが増えていないか、外食やコンビニ利用が多くなっていないか。
・収入と支出のバランスを分析:収入に対して支出が適切か、貯蓄割合は適切か。
たとえば、「今月は何にいくら使ったのか? 」を振り返るだけでも、思わぬ出費に気づくことがあります。特に、キャッシュレス決済を利用していると、現金と違って支出の感覚が薄れがちです。レシートをチェックしたり、家計簿アプリで自動記録を活用するのもおすすめです。

固定費の見直しで家計の“土台”を整える

固定費は一度見直すだけで、長期的な節約効果が期待できます。特に以下の項目をチェックしてみましょう。

通信費・光熱費:格安SIMへの乗り換えや電力・ガス会社のプラン変更でコストダウン。
保険料:不要な保障を削減し、適正な内容に見直し。
住宅ローン・家賃:借り換えや家賃交渉を検討し、住み替えやリフォームも視野に入れる。

例えば、スマートフォンの通信費は、大手キャリアから格安SIMに乗り換えることで年間数万円の節約が可能です。

また、保険料は加入時のまま放置していると、ライフステージに合わない保障内容になっていることもあります。一度、ファイナンシャルプランナーなど専門家に相談するのも良いでしょう。

変動費の見直しで「使いグセ」をリセット

変動費は日々の意識でコントロールしやすい項目です。特に以下の点を意識すると、無駄遣いを防げます。

食費:まとめ買いや作り置きを活用し、無駄を削減。
交際費・娯楽費:月ごとの予算を決め、計画的に使う。
サブスク整理:使っていないサービスは思い切って解約。

たとえば、食費の削減には、買い物前に「今週の献立」を決めてからスーパーに行くのが効果的です。計画的に買い物をすることで、つい買いすぎるのを防げます。

また、サブスクサービスは「毎月数百円だから」と思っていても、複数契約すると年間で数万円になることもあります。不要なものを解約し、本当に必要なものだけを残すと、家計の負担が軽くなります。

新年度に向けた家計目標の設定

家計の整理ができたら、次は目標を設定しましょう。具体的な指標を決めることで、モチベーションを維持しやすくなります。

貯蓄目標を明確に:短期(半年~1年)、中期(5年)、長期(10年以上)の目標額を設定。
資産運用を検討:NISAやiDeCoを活用し、資産形成をスタート。
ライフプランの確認:結婚、子育て、住宅購入などのイベントに備える。

例えば、「1年後に50万円貯める」と目標を設定すると、毎月の貯蓄額は約4.2万円になります。目標を明確にすることで、日々の支出管理もしやすくなります。

家計管理を継続するための工夫

家計管理は続けることが大切です。以下の習慣を取り入れることで、無理なく継続できます。

定期的な家計チェック:毎月の収支バランスを振り返る。
家計簿アプリを活用:手軽に収支管理を行う。
家族との共有:目標や状況を共有し、協力体制を築く。

毎月1回、家計チェックで「今月の収支」や「来月の予算」を確認すると節約の意識が高まりやすくなります。

まとめ:3月の家計リセットで“お金の不安”を解消しよう
3月は、これまでの家計を見直し、新しい習慣をスタートするのに最適なタイミングです。現状を振り返り、固定費と変動費を見直し、明確な目標を立てることで、新年度はお金の不安を解消し、より安心して過ごせる家計管理が可能になります。家計管理は一度やれば終わりではなく、継続することが重要です。この春、新しいスタートとともに、家計もリフレッシュしてみませんか?

この記事を執筆したファイナンシャルプランナー紹介


小峰一真(こみねかずま)
所属:マイホームFP株式会社