京都市交通局は、地下鉄烏丸線全駅の可動式ホーム柵設置計画を再開すると発表した。四条駅と阪急電鉄の烏丸駅を結ぶ連絡通路にエレベーターを新設する計画も明らかにした。

  • 京都市営地下鉄烏丸線の車両20系

現在、烏丸線で乗降人数が多い京都駅、四条駅、烏丸御池駅、北大路駅の4駅に可動式ホーム柵を設置している。一方、その他の駅については新型コロナウイルス感染症の影響による財政難を理由に設置を延期していた。今回、利用者数の回復で財政状況が改善傾向にあることから、ホームの安全性向上のため、設置計画を再開する運びとなった。

当初はATO設備(自動列車運転装置)の整備と可動式ホーム柵の設置時期を合わせ、自動運転と自動開閉により運用する計画だったが、可動式ホーム柵の設置を最優先に進めるため、設置済みの4駅と同様、乗務員による手動操作を採用する。この変更により、運用開始までのスケジュールを大幅に短縮し、2028年度から順次運用開始できるという。烏丸線全駅での設置完了は2030年度上半期を見込み、設置費用は概算で45億円とされている。

なお、手動操作を行うにあたり、1駅あたりの停車時間を約10秒のばす必要があり、国際会館駅から竹田駅までの運行時間は約2分延びる。運行本数は維持される。

四条駅と阪急電鉄の烏丸駅を結ぶ連絡通路は約2mの高低差があり、これまで車いす・ベビーカー利用者には階段昇降機や迂回ルートの利用を案内していた。この不便を解消するため、エレベーターメーカーとの協議を重ねた結果、特注のエレベーターを設置できることになったという。設置費用は約7,300万円。今年度は設計と製作を行い、2026年度末に設置を完了して運用開始する予定とのこと。