第2話「吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』」では、1773(安永2)年の様子が描かれた。

岡場所に奪われた客を吉原に呼び戻すため、蔦重は『吉原細見』を使うことを思いつき、その序文を当時「嗽石香(そうせきこう)」のキャッチコピーで一世を風靡していた平賀源内に執筆を依頼するため奔走した。一方、幕府では経済政策を進めようとする老中・田沼意次を中心に、御三卿や他の老中が各々の思惑を胸にうごめいている。

注目度トップ3以外の見どころとしては、足しげく花の井のもとへ通う長谷川平蔵宣似(中村隼人)が挙げられる。SNSでは「この平蔵が『鬼の平蔵』に成長すると思うと感慨深いね」「平蔵、今週もいい感じにカモにされてる」「長谷川平蔵がギャグ担当なのかな」といったコメントが集まり、憎めないキャラクターとしての地位を確立しつつある。また蔦重にのせられ、「紙花」を盛大にふるまう姿は「江戸時代にスパチャがあったんだ」「まんま現代のスパチャだね」といった投稿も見られた。今も昔も、人は「推し」には大金を注ぎ込むようだ。

池波正太郎氏の時代小説『鬼平犯科帳』の主人公「鬼平」として有名な長谷川平蔵宣似だが、史実でも若い頃は放蕩かつ、無頼な生活を送っていたようだ。「本所の銕(てつ)」という異名で呼ばれ、向こう見ずで荒っぽい性格だった。当時の流行であった「大通」と呼ばれる服装を好み、父・長谷川宣雄がたくわえた財産を浪費しながら遊郭に通うなど、派手な生活を送っていたそうだ。

また、石坂浩二演じる老中首座・松平武元も大きな存在感を見せつけた。ことあるごとに田沼意次を制する武元は意次にとって最大の障壁といえるだろう。意次はどのように対抗していくのだろうか。

石坂浩二は1963年『花の生涯』、64年『赤穂浪士』、65年『太閤記』、69年『天と地と』、75年『元禄太平記』、79年『草燃える』、83年『徳川家康』、95年『八代将軍吉宗』、99年『元禄繚乱』、04年『新選組!』、11年『江~姫たちの戦国~』に続いて渡辺謙を上回る12回目の大河出演となる。大物俳優の対決は、大きな見どころとなりそうだ。

きょう19日に放送される第3話「千客万来『一目千本』」では、蔦重の編集した『吉原細見』が目論見通り、大きな話題となる。そして、その『吉原細見』をめぐってまた一悶着が起こりそうだ。

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