日本最古の公立植物園として開園100周年を迎えた京都府立植物園で、10月18日から、光と音が織り成す新たな植物の魅力を五感で感じる没入体験「LIGHT CYCLES KYOTO(ライトサイクル キョウト)」が開催される。同プロジェクトは、夜間に植物園を開放し、日本最大級の観覧温室を舞台に光や音、セットデザイン、プロジェクションによって、昼間とは異なる植物たちの多彩な表情を彩るというもの。
日本最大級の観覧温室で栽培される植物に光と音の表現を加えた幻想的な空間で、来場者自らが植物の世界に入り込む“没入型エンターテインメント”を手がけたのは、カナダのモントリオール本社を持つマルチメディア・スタジオ「Moment Factory(モーメントファクトリー)」。100年前の1924年に三井家の寄付で同園が開園したという縁から、三井不動産が企業版ふるさと納税を活用し、京都府に寄付する金額の100%が本プロジェクトの事業資金に充当する形で実現した。
開催前日に行われたオープニングセレモニーには、京都府知事や文化庁長官らも出席。西脇隆俊知事は、「私たち日本人は、古くから自然を身近にとらえて、自然と調和する精神や感性を育んできました。この『ライトサイクル キョウト』は、そうした自然とのつながりを、現代的な光や音を通じ、プロジェクションで彩られた豊かな緑の中で新しい植物の魅力を体感できる、没入型のエンターテイメント。どうか植物の輝きを五感で感じ取って、植物の新しい魅力を体験して……と、いかにも分かったようなことを言いながら、私はまだ体験していないのですが」と、会場を沸かせながら、事前に体験した一般の人たちの「想像していたものと全く違う、良いものだった」という声を紹介。
また都倉俊一 文化庁長官は、日本の観光活性化の柱のひとつに“ナイトタイムエコノミー”を挙げ、「すでに今年はインバウンドの観光収益は5兆円を超え、インバウンド史上最高の見通し。ここにナイトタイムの植物園でのアート体験という、新たなナイトタイムエコノミーが加わる。“ツーリズムの質”も変える画期的なアイディア」だと、本プロジェクトの意義を強調する。
アート・エンターテインメントの力を通じて、植物園の魅力を次世代へ受け継いでいくというプロジェクトの意義に賛同し、支援によって参画する三井不動産は、「光と音、これまでずっと大切に育てあげてきた植物とのコラボレーションが生み出す幻想的な美しさと、新しいナイトタイムエンターテイメントを、新しい京都の魅力として発信していただければ。私たちは京都が魅力的になることは日本全体が魅力的になり、また日本が強くなっていくこと。そして世界の人々により多く訪れて頂けるようになることだと考えています」と、髙波英明執行役員が挨拶した。
光と音に包まれ、夜に輝く植物たちの世界に没入する「ライトサイクル キョウト」は、10月18日から12 月26日まで、京都府立植物園にて開催。
■information
「LIGHT CYCLES KYOTO(ライトサイクル キョウト)」
会場:京都府立植物園
期間:10月18日~12月26日(18:00~21:30/月曜休)
料金:大人(高校生以上):2,500円、小中学生:1,200円、未就学児:無料