賑やかな東京ドームシティのすぐお隣に佇む「小石川後楽園」で、『夜間特別開園 秋の夜長の小石川後楽園』と題したライトアップが始まりました。江戸時代初期に水戸徳川家の庭園としてつくられた、江戸の大名庭園として現存する最古のこの庭園は、特別史跡・特別名勝の二重指定を受ける希少な文化施設。いつもは閉園している18時から21時までの3時間、この屈指の名園がライトアップで演出された幻想空間に変貌しています。

  • 10日間限定の『夜間特別開園 秋の夜長の小石川後楽園』が始まった

小石川後楽園は、寛永6年(1629年)に水戸徳川家の初代藩主の頼房が、江戸の中屋敷の庭として造り、‟水戸黄門”でおなじみの二代藩主の光圀が完成させました。光圀は明の儒学者である朱舜水の意見を取り入れ、中国の教え「(士はまさに)天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ」から、この庭園を「後楽園」と名づけたそう。

  • 琵琶湖を写した庭園中央の大泉水。木々の向こうに東京ドームホテルや東京ドームの屋根が見える

  • 小石川後楽園のシンボルツリー「一つ松」

今年1月に初めて開催し、2回目となる「夜間特別開園」のライトアップ。今回はエリアを拡大し、ライトアップに加えて、庭園の歴史を辿るプロジェクションマッピング、江戸城下のにぎわいをテーマにした伝統芸能公演、さらにフードやドリンクの販売も行います。

  • 徳川家の家紋「三つ葉葵」も投影

  • こちらは江戸城下の賑わいを楽しむ飲食エリアに(※取材時はまだ未出店の状態)

見どころは、ライトアップされた小石川後楽園のシンボルツリー「一つ松」や、庭園中央の大泉水に浮かぶ「蓬莱島(ほうらいじま)」など。通常は閉門している「唐門(からもん)」は、特別に開門して灯りで厳かに映し出します。

  • 大泉水に浮かんだ「蓬莱島」がひときわ存在感を放つ

  • 10月6日の1日限定で「灯篭流し」も予定している

また、水面に映る形が満月のように見えることからその名が付けられた石橋「円月橋(えんげつきょう)」には、プロジェクションマッピングを投影。美しい映像と音楽の演出によって、小石川後楽園の395年の歴史を追体験するような没入感が味わえそう。

  • 「円月橋」のプロジェクションマッピング

  • 築地塀はさまざまなデザインの影絵でライトアップ

この夜間特別開園は10月6日まで、10日間限定の開催です。昼間の姿とはまったく異なる幻想空間に変貌した夜の小石川後楽園で、特別な時間を過ごしてみてはいかがでしょう。

  • 通常は閉門している「唐門」は、特別に開門してライトアップする

■information
夜間特別開園「秋の夜長の小石川後楽園」
場所:小石川後楽園 ※夜間開園時は入園西門、退園東門
期間:9月27日~10月6日(18:00~21:00 ※最終入園 20:00)
料金:1,100円/小学生以下無料、障がい者手帳提示の方および付添者1名まで当日窓口購入で割引あり(割引後価格500円)