名古屋鉄道は24日、犬山線犬山遊園~新鵜沼間の木曽川に架かる「犬山橋」が歴史的な価値のある土木構造物として、土木学会から「選奨土木遺産」に認定されたと発表した。

  • 道路と併用されていた頃の犬山橋

1925(大正14)年に完成した犬山橋は、「3径間鋼下路曲弦ワーレントラス橋」という形式で、橋長は223.15m。橋台や橋脚にある支点間の長さを表す支間長は73.15m。全国でも珍しい鉄道と道路の併用橋として長年利用されてきたが、自動車の交通量増加にともない、橋上の安全確保に加え、列車の定時運行への影響が大きくなってきたため、愛知県・岐阜県と名古屋鉄道の間で、新しい道路橋を建設するとともに、犬山橋を鉄道専用橋とすることを決めた。2000年に道路橋が開通し、以降の犬山橋は鉄道専用の橋として利用されている。

今回、犬山橋が認定を受けた「選奨土木遺産」は、土木学会により創設された認定制度。土木遺産の救済・保護等を促し、歴史的土木構造物の保存に資することを目的としている。犬山橋は、同時代に施工されたトラス橋と比較して支間長が長く、その技術力の高さが評価された。

  • 現在の犬山橋

  • 犬山橋の全景

2000年に行われた鉄道専用橋への改修工事の際、既存の橋の構造・材料の改変が少なくなるよう配慮している点、電線を桁両端内側へ移設することで景観の向上を図った点も評価され、「選奨土木遺産」の認定に至ったという。