2番目に注目されたのは20時38分で、注目度77.04%。道長と賢子の父娘が初めて対面するシーンだ。

まひろは一条天皇に奉るための物語を書き上げた。左大臣・藤原道長はまひろの邸宅を訪れ、まひろの書いた物語に目を通すが、この物語を献上するべきか否か迷っていた。一条天皇がこの物語を読めば、さらに一層、定子への想いが強まるのではないかと危惧する内容であった。

道長が思案を続けていると、まひろの娘・賢子(福元愛悠)が近づいてきた。「賢子、いらっしゃい」まひろは賢子を呼び寄せると、「左大臣様よ。ご挨拶して」と、うながした。「賢子にございます」賢子はきちんと正座をして、道長に頭を下げる。「うん。そなたはいくつだ」道長は優しい表情で賢子に話しかけた。「6つ」「6つか」他愛のない会話だが、まひろの目は、どこを見たらよいのか分からず、ひたすらに泳いでいる。賢子の本当の父親が自分だということを、道長本人はまるで気づいていない。「おいで」道長が賢子を近くに呼ぶと、賢子は道長の膝の上に乗った。道長は賢子の顔をまじまじと見つめながら、「ほう、母親に似て賢そうな顔をしておる」と、頭をなでると、賢子はうれしそうに笑顔をうかべた。

まひろは、2人の様子を見て複雑な気持ちになる。そんな3人の親子を、百舌彦(本多力)ときぬ(蔵下穂波)は微笑ましそうに見守っているが、事情を知っている乙丸(矢部太郎)といとは、どのような顔をすればよいのか分からず困惑していた。

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複雑な感情と不自然な態度を巧みに演じる吉高由里子

このシーンは、道長と賢子が実の親子であると知らず対面するシーンに視聴者の関心が集まったと考えられる。

実の父親である道長が賢子に優しく語りかけ、賢子も道長になついているほのぼのとしたシーンだが、まひろは目を泳がせ挙動不審になっていた。吉高由里子は、実の親子3人が初めて触れ合う場面での、まひろの複雑な感情と不自然な態度を、とても巧みに演じていた。

ネットでは、「親子初対面!」「賢子ちゃんをひざに乗せる道長に和んだ」「賢子と道長が尊い」といった2人の対面を喜ぶ声であふれた。また、「道長気付いてないの?」「年齢聞いたのに気付かないのか…」「道長が賢子の出生を知るとしたらどのタイミングだろう?」といった道長が賢子の父親であるという真相に、いつどのように道長がたどりつくのかにも関心が集まっていた。

2人の妻である源倫子(黒木華)と源明子(瀧内公美)とは関係性が悪くぎくしゃくしてしまっている道長が、まひろと賢子には、いまのところ笑顔で接することができているが、真実を知ってしまったら果たしてどうなるのか。これからの親子3人がどのように描かれるのか目が離せない。