ミュージカル『モーツァルト!』の製作発表記者会見が4日に都内で行われ、古川雄大、京本大我が登場した。

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同作は「才能が宿るのは肉体なのか? 魂なのか?」というテーマをベースに、高い音楽性と重層的な作劇で“人間モーツァルト”35年の生涯に迫ったミュージカルで、2002年の日本初演以来、日本のミュージカルファンを魅了し続けてきた。ミヒャエル・クンツェ(脚本・歌詞)、シルヴェスター・リーヴァイ(音楽・編曲)のゴールデンコンビによる大ヒットミュージカルで、2021年以来約3年ぶりに上演される。

■古川雄大、ミュージカル『モーツァルト!』3度目の挑戦

同作3度目の主演となる古川は「僕自身、この作品に参加するのは3回目なんですけれども、 今までいろんなミュージカルをやらせていただいていく中で、この作品が特に大好きな作品の1つ。作品の世界観はもちろん、楽曲も含めヴォルフガングの一生を描くことに、役者としてとても魅力ややりがいを感じております。なので、また今回も参加できて本当に幸せに思っております」と喜びを表す。

「初めて参加させていただいた時は、とにかくあがいてあがいてなんとかやり切ったヴォルフガングで。2回目に参加させていただいた時は、少し技術的にも余裕が出てきて、自分の中で掴んだものがあったんですけれど、 いろんな関係者の方から『初演の方が良かったよ』という声をいただきました。『俺の掴んだものって、なんだったんだろう』と」と苦笑。

古川雄大

「お芝居ってすごく難しいなと思いながら、でもヴォルフガングという役は、足りないものを目指して追い求めてる姿が反映されて役に生きたのかなとすごく感じておりまして。 今回3回目なんですけれども、自分を追い込んでいかないと、と思っております。自分で課題を与えて、攻めるポイントをたくさん作っていって、とにかく追い込んで、その姿がヴォルフガングに反映されたらいいな、なんて思っており、3回目にして自身のベストのヴォルフガングを作れるように頑張りたいと思っています」と意気込んだ。

実際に“自分を追い込む”やり方について聞かれると、古川は「トレーニングはしてるんですけど、 自分の中でプランは何個かあって、かなりきついんですよ。例えばフェイクだったりとか、歌の攻めるポイントを何か所か作っていまして、多分今までにないものにはなると思うんですけど、それをやる実力がまだ実はついてなくて。だからそこをどう持っていこうかなと悩んでいたりはします」と、自ら歌のハードルを上げているという。

さらに「お芝居の部分でも、プラン立ててやってしまうことが多かったりするんですけれども、今回はもう市村(正親)さんもいらっしゃいますし、(山口)祐一郎さんもやってくださるということで、もう安心して思う存分、むしろ何も考えずにやってみようかなと。それぐらい方向性を変えて」と計画。「本番でどうなっているかはまだなんとも言えないです。自身のスキルの上でも『変わった』と思ってもらえるようなものをお見せできたらなとは思ってるんですけど、難しいですね。頑張りますけど、どこまでできるかというのは」と語った。

出演が決まった時の気持ちとしては「またやれるんだという喜びがとても大きかったです。ただ何か成長していくたびに失われてるものがきっとあって。 だから今回は初参加の時のフレッシュさというか、追い込まれた感じをどうにか出せないかなと今悩んでいる最中なんですけれども」と答える。「この役はきっと、フレッシュな若い人が昇り詰めるためにやっていく役だと思うんですけど、またやりたいんですよね。ずっとやってたいです。もう50歳ぐらいまでやってたいんですけど、50のモーツァルトはさすがにちょっときついと思うんで。40もきついんですけど、『またやれるんだ』という喜びとともに、自己ベストを作りたいなという決意があります」と意欲も。

建て替えのための一時閉館が決まっている帝国劇場の思い出について聞かれると、古川は「僕は2012年の『エリザベート』が帝劇との出会いで、トート役に憧れを持ちました。自分が目指せるところじゃないなと思っていたので、誰にも言えなかったんですけど、 密かに思ってまして。ありがたいことに何度も帝劇に立たせていただいて、その中でたくさん成長させていただいて、なんとか(トート役に)たどり着いたので、自分を育てていただいた場所かなと勝手に思っていて。とても恩を感じている場所です」と表した。

東京公演は帝国劇場にて8月19日~9月29日、大阪公演は梅田芸術劇場メインホールにて 10月8日~27日、福岡公演は博多座にて11月4日~30日。

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