山下達郎が守り続けた“3大原則”「テレビに出ない、本を書かない、武道館をやらない」でも50年愛される理由
TOKYO FMで放送された特別番組「JFNスペシャル2026 山下達郎 50周年記念 Sunday Song Book 増刊号」。2026年にソロデビュー50周年を迎えた山下達郎がパーソナリティを務め、ソロデビューから現在に至るまでの音楽活動を、数々の名曲とリスナーからのメッセージとともに「50年の軌跡」を振り返りました。

パーソナリティの山下達郎

◆デビュー当時の意外なキャリアプラン

山下達郎:今日は50周年を記念いたしまして、リスナーの皆様からいただいたお祝い、思い出、メッセージをたくさんご紹介しつつ、私の曲をお届けしたいと思います。いつもの日曜午後2時からの「サンデー・ソングブック」同様、今日も最高の音質でお届けいたします。

<京都府 石の上にも三年さん>

「ソロデビュー50周年おめでとうございます。私が生まれたときから音楽活動をされている山下さんには、尊敬の念を抱くばかりです。私は今の会社に就職してから26年目を迎えますが、辞めたいと思うこともたびたびありました。50年間の音楽活動のなかで、辞めたいと思ったことはございますでしょうか?」

山下達郎:そもそも現役でずっと続けていけるとは思っておりませんでした。「RIDE ON TIME」がヒットする前からも「そんなに長くは続けられない」と思っておりましたので、最終的にはスタッフというか裏方で活動していくという考えでした。できることならば、音楽プロデューサーとか、レコード会社のディレクターとか、音楽出版社のA&Rとかですね、そういう形で残ることができればいいという具合にやっておりました。

早晩ですね、現役を退いて裏方に回るだろうなとずっと思っておりましたが、なぜか50年も現役でやることができました。でも結果論です。運、不運と言いましょうか、スタッフに恵まれたとかですね、環境に恵まれたとか、そういうようなことがありましたので、おかげさまでデビュー50周年を迎えることができております。全くありがたいことだと思っております。

<島根県 バジルトマトさん>

「年を重ねるとそれなりに人や愛するものとの別れが増えてきました。そのたびに、この歌(REBORN)が心の中から湧いてきて励ましてくれています。今、私はその思いで生きている」

山下達郎:「REBORN」は映画の主題歌ですが、これを作るときに人間の生と死、人はどこから来てどこへ行くのかという、これは誰もが思うことですけど、そういうことをテーマにしてみたいなという意志で作りました。なかなか重い歌ですが、自分でも気に入っているんですけど、なかなかやるのも勇気がいります。

でも、こうやってお便りをいただくと、作ってよかったなと思います。音楽は人を助けることはできませんけれど、こうして心の隙間を埋めるとかですね、いたわりや寄り添いとか、そういう役目が音楽にはありますので、なるべくそうした役割を忠実に守れるように音楽を作っていきたいと思っております。

◆「夏男」から「クリスマス男」へ

<岐阜県 物忘れISLANDさん>

「中学にあがるころ、まだ音楽に疎かった私が初めて知った達郎さんの曲が『クリスマス・イブ』でした。歌っているのはヤマタツさんという髪の長いお兄さんらしい。でもテレビで歌っている姿を見たことがない。サンタさんと同じような、なんだか不思議な存在でした。それから30年ほど経ち、達郎さんのライブにたびたび伺うようになり、『クリスマス・イブ』を拝聴していると、ヤマタツさんってやっぱり実在しているんだなと、あのころの不思議な感覚をふと思い出すことがあります」

山下達郎:なんかあれですね、拝みたくなるような(笑)。良くないですね、これ。30代、40代のころはですね、自分の情報はなるべく抑えていこうと。いつも申し上げておりますけども、テレビに出ない、本書かない、武道館やらない、大きなアリーナやらない。そういう3大原則でやってまいりまして、それで成立しているんだから、まあいいだろうと。

<栃木県 月姫さん>

「初めて買ったCDが『クリスマス・イブ』の8センチシングルCDでした。その曲の発売当時はCMで流れていて、毎回このCMを見るたびに新幹線ホームでの恋人たちのやり取りに胸をキュンとさせたものでした。私も彼と遠距離恋愛をしていたので自分と重なる思いになっていました。今でも思い出すと切なくなる、甘酸っぱい素敵な曲です」

山下達郎:80年代は「夏だ、海だ、タツローだ」ってリゾートミュージックの代表みたいに言われましたけれども、「クリスマス・イブ」がヒットしたとたんに「クリスマス男」になってしまいました。俳句の季語で山下達郎っていうと、夏も冬も通用するという、喜んでいいのかなんだかよく分かりませんけれど。

1980年代の終わり、大々的にバブル最盛期のころですけれど。私は若いころからCM音楽をずっとやっていましたので、そういう関係で「クリスマス・イブ」が(JR東海のCM楽曲に)選ばれまして。それが自分にとっては全く予想外のヒットとなりまして。もともと1983年に発売された作品で、シングルにも切っていなかったんですけど、このCMに起用されてから、いきなりメガヒットになりまして、1989年についにオリコンの1位になりました。

発売されてから1位になった期間がもっとも長い曲でもありまして、ついに昨年、同一曲のオリコンチャートイン最長記録40年。30年のときに一回ギネスをもらったんですけど、40年でまたもう一回ギネスをいただきまして。こればかりは全く狐につままれたというか。訳がわからないんですけど、本当にただただありがたいというか、私の代表曲になってしまいました。

これも何度も申し上げておりますが、クリスマスでヒットを出そうとか、一発当ててやろうとかそういう下心が全くないんです。クリスマスソングという純粋なコンセプトで曲を作ろうと思って作った曲で、しかも出来上がりが自分の音楽人生で最高にうまくいった何曲かのうちの1曲なので、そういう意味では本当にありがたいことであります。

<番組情報>

番組名:JFNスペシャル2026 山下達郎 50周年記念 Sunday Song Book 増刊号 Supported by Rakuten Card

放送日時:5月5日(火・祝)15:00~17:00

パーソナリティ:山下達郎

番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/tatsuro50th/