長谷川博己主演のTBS系日曜劇場『アンチヒーロー』(毎週日曜21:00~)で、東京地方検察庁の若手検事・菊池大輝役を演じている山下幸輝にインタビュー。「こんなにたくさんのベテラン俳優陣と対峙してお芝居をするのは初めてです!」と興奮しながら語る山下は、本作が自身のキャリアにとって「特別な作品になりました」と目を輝かせる。

  • 『アンチヒーロー』菊池大輝役の山下幸輝

本作で長谷川演じる主人公・明墨正樹は、犯罪者である証拠が100%揃っていても無罪を勝ち取るという限りなくダークで“アンチ”な弁護士だ。これまで明墨が過去に担当した様々な事件が伏線としてつながっていき、毎回視聴者をうならせてきた。5月26日に第7話が放送されるが、ラストスパートに入っていくにあたり検事正・伊達原泰輔(野村萬斎)のラスボス的な存在感がますます際立ち、山下演じる直属の部下・菊池の動向にも熱い視線が向けられている。

本作で日曜劇場に初出演した山下は「そもそも俳優を始めて間もない僕が、まだまだ走り続けないといけない時期に日曜劇場に出られたこと自体がすごく光栄なことだと思っています。この現場で今、経験できていることを今後の糧にしていければと。また、実際に放送されてから、お母さん世代の方たちによく声をかけてもらえるようになりました」と出演できた喜びと共に、ドラマの反響の大きさを口にする。

法廷ドラマということで、キャスト陣は専門用語の長台詞も多いが「皆さんが励まし合いながら撮影している感じです。だから台詞を間違えても、ちょっと盛り上がるぐらいのいい雰囲気の中で撮影が進んでいます。そこは、シリアスで重厚な作品とのギャップがあって、僕は好きです」と現場の空気感は非常にいいと明かす。

主演の長谷川については「明墨さんは特に法廷シーンになると膨大な台詞量となりますが、長谷川さんは1つ1つの言葉のパワーがすごいし、あのテンションをずっと変えずにいられる点も素晴らしいなと思います。皆さんが役に入り込み、集中して撮影されているので、そこは見ていて僕も非常に勉強になります」と、現場で多くのものを吸収しているようだ。

菊池のキャラクターについては「最近、自分の実年齢(22歳)よりも上の役を演じることが多いのですが、菊池も27~28歳という年齢です。作中には出てきませんが、東大卒という裏設定があるので、そこも踏まえて、立ち姿もドシッと構えように意識しています。また、菊池は検察官として、伊達原の言葉が正義だと思っているので、ただそこについていく感じです。たとえそれが悪だったとしても」と捉えている。

野村萬斎の目力に完敗!?「台詞がなくてもパワーを感じる」

当然ながら、萬斎との共演シーンも多いが「台詞量的には萬斎さんの方が断然多いし、僕は台詞のないシーンも多いのですが、いつも目で負けそうになります(笑)。だから台詞がない瞬間こそ、自分が一番耐えなければいけないのですが、萬斎さんは目で訴えている感が圧倒的で、台詞がなくてもパワーを感じます。今のところ連敗ですが、まだ撮影はあるので、なんとか勝ち越したいです」と意欲を口にするも、「伊達原は、たぶん目の奥が笑ってないので、すごく恐怖感を与えます。 菊池はそういうタイプではないので、とにかく真っ直ぐに伊達原を見ていくしかないなと」と従順な部下に徹していると言う。

これまで撮影した中で印象に残っているのは、クランクイン日に撮影した木村佳乃演じる緑川歩佳検察官と共演したシーンだそうで「3話のシーンですが、めちゃめちゃ緊張しました。菊池が最初から本をバーンって投げて、ちょっと気持を上げていかないといけない芝居だったので」と述懐。

木村の印象については「いるだけで明るくなる存在」とその人柄を称える。

「木村さんはまず『おはようございます』から、すごく高いところにいらっしゃるんです。テンションが高いとかではなく、太陽みたいな感じで『今日は頑張れそう』というパワーをもらえます。だから今日は少し眠いなとか朝が早いなという時でも、木村さんがいらっしゃるだけで、なんか今日は気持ちがいいなと切り替えられます」