京成電鉄は20日、新型車両3200形を導入すると発表した。5年ぶりの新形式車両として、2024年度に1編成(6両編成)を導入し、2025年冬の営業運転開始をめざす。2025年度以降も継続して導入する計画としている。
新型車両3200形のコンセプトは「人や環境にやさしいフレキシブルな車両」。2両単位でフレキシブルに編成車両数を変更できるようにすることで、輸送需要に見合った効率的な走行エネルギーの使用により、環境負荷の低減に努める。
最新の半導体を使用したSiC-VVVF制御装置を採用し、同社の3500形と比較して電力消費量を約69%削減するほか、SiC-VVVF制御装置や空調装置など車載機器の動作状況をモニタリングし、故障対応の迅速化等による安全性・安定性の向上を図る。モニタリングによるデータを活用し、将来的には故障の予兆把握やメンテナンスの省力化を図っていく。
車両デザインは、同社車両の伝統である赤と青のカラーリングを踏襲し、3100形の質実さや実用性という要素を引き継ぎつつ、連結運転時に常時通り抜け可能な構造とするため、正面貫通扉を中央に配置している。
車内設備として、すべての乗客が安全・快適に利用できる設備を導入。先頭車に車いすスペース、中間車にベビーカー・スーツケース等の大型荷物を持つ人も利用できるフリースペースを設置する。
17インチLCD(液晶)車内案内表示器は各乗降扉上に2画面設置。客室内照明に省エネルギー効果の高いLEDを採用し、空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置も設置する。犯罪・迷惑行為の抑制や車内セキュリティーの向上を目的に、防犯カメラを1両あたり3台設置。非常通話装置に連動して、乗務員室で客室内の防犯カメラの映像を確認できる機能が初採用された。