近畿日本鉄道は、開催中の「近鉄特急博覧会」で同社の観光特急を駅に留め置き、「近鉄・観光特急カフェ」と称したカフェ営業を行っている。7月31日は大阪上本町駅の地上ホームに「あをによし」を留め置き、カフェ営業を実施。その様子が報道関係者らに公開された。

  • 近鉄の観光特急「あをによし」。大阪上本町駅の地上ホームに入線

「あをによし」は2022年4月にデビューした観光特急。通常は大阪難波駅から近鉄奈良駅を経由して京都駅まで運行するため、大阪上本町駅では地下の奈良線ホームに停車している。「あをによし」が大阪上本町駅の地上ホームにいること自体、非常に珍しい。

取材当日、10時15分頃に「あをによし」が地上ホーム9番線へ入線し、11時頃からカフェ営業を開始した。利用者は「あをによし」の2号車にある車内販売カウンターで注文した後、座席へ自由に座り、提供されたメニューを楽しむ。ホームに入るための入場券または乗車券以外、カフェ代を除いて特別料金は発生しない。割安に観光特急の雰囲気を味わえる。

  • 「あをによし」を地上ホームに留め置いてのカフェ営業。2人利用を想定した「ツインシート」などにも座れる

駅に観光特急を留め置いてのカフェ営業は、「あをによし」の他にも「しまかぜ」(大阪上本町駅)と「青の交響曲」(大阪阿部野橋駅)で実施しているが、カフェメニューは3列車でそれぞれ異なる。その上、「近鉄・観光特急カフェ」限定メニューまで用意しているとのことで、「近鉄特急博覧会」に対する強いこだわりを感じさせた。

限定メニューの「バターサンドセット レーズン&フルーツミックス」と「特急カフェ和菓子セット」は、いずれもドリンクとのセット商品として販売している。バターサンドや上生菓子は甘さ控えめで上品な味わい。同じく限定メニューの「あをによしくるくるソーダ」は、夏らしくさわやかなドリンクだった。

このような実車を使ったカフェ営業は珍しい。近鉄側からすると、「近鉄特急博覧会」を通じて、大阪・関西万博の後も近鉄特急の利用を促すねらいがあるようだ。

  • 車内販売カウンターで注文

  • バターサンドが入っている箱も「あをによし」仕様

  • 上品な味わいを楽しめるフルーツミックスのバターサンド(小皿は撮影用)

  • 「特急カフェ和菓子セット」は柿もなかと上生菓子が含まれる(小皿は撮影用)

  • 夏らしくオレンジがアクセントになった「あをによしくるくるソーダ」

  • 日本郵便によるオリジナルフレーム切手「来て! 見て! 感じて! 近鉄特急博覧会」

「あをによし」が留め置かれた地上ホーム9番線では、日本郵便によるオリジナルフレーム切手「来て! 見て! 感じて! 近鉄特急博覧会」の販売も行われていた。

「近鉄特急博覧会」の一環で、「鉄路の名優ギャラリー」も大阪上本町駅の地下2階コンコースで実施中。「スナックカー」の行先表示板差や「あをによし」のエンブレムなど、貴重な品を展示している。京都線や志摩線が近鉄の路線になる前、1960(昭和35)年の近鉄路線図も必見。展示品はいずれも社内で保管され、今回の展示に合わせて公開したという。

  • 大阪上本町駅地下2階コンコースで「鉄路の名優ギャラリー」も実施中

  • 「スナックカー」の行先表示板差

  • 1960年当時の近鉄路線図

  • 「あをによし」のエンブレム

展示物の「音声ライブラリー」にあるQRコードを読み取ると、懐かしの駅構内放送や車内放送も聞くことができる。これらの音声は、当時の社員が個々に録音したものだという。録音した音声は社内でデータ保存しているとのことだった。

「近鉄特急博覧会」の「近鉄・観光特急カフェ」は今後、大阪上本町駅で8月28日、9月11日、10月9日に「あをによし」、9月16・30日に「しまかぜ」を展示。大阪阿部野橋駅で8月6日、9月24日に「青の交響曲」を展示する。なお、「近鉄特急博覧会」は10月31日まで開催されるが、「鉄路の名優ギャラリー」の第1期は8月3日まで。その後、9月11~16日に第2期、10月9~13日に第3期の実施を予定している。