• 伊原六花

――今作が、地上波連ドラ初主演になります。

想像以上に「おめでとう」「楽しみにしてるよ」って連絡をたくさん頂きました。そして原作のファンの方からも「ずっと読んでました」と作品への思いをメッセージでくれて、「はっ、そういうことなんだ」と改めて気付かされたんです。これは、本当にたくさんの方に読まれて愛されている作品だということ。私自身も読んでいるからこそ、「そうだよな…」と思うメッセージを頂いて、それを読んで、より頑張りたいなと思いました。

――インスタでは、「リスペクトと愛を込めて、大切に丁寧に。」というコメントを添えられていましたが、原作への思いということですね。

私も漫画やアニメを見るので、それが実写化されるときはすごく気になります。自分の好きな作品が実写化されることの喜びもあれば、好きな部分がちゃんと残ってるかなという心配も、どちらの心境もあると思うんです。でも、ドラマだからこそできる見せ方があると思っているので、そこも楽しんで一緒に愛してもらえたらと思います。

――主演は「座長」という呼ばれ方もされますが、高校時代にダンス部のキャプテンとして100人以上を率いていた経験が生きることはありますか?

何とも頼りないキャプテンだったので(笑)。キャプテンの仕事に集中できるように、他にやらなきゃいけないことは全部同期のメンバーが手分けしてやってくれていたので、その経験があるからこそ「座長について来い!」というよりは、みんなで一緒に作り上げられたらと思います。本当にいろんな人の支えがあって、この場所に立てていてるという感覚が強くあるので、みんな楽しければいいなと思います。

――チームプレーという面は、共通する部分ですよね。

そうですね。よくドラマは「総合芸術」と言われますけど、カメラを向けてもらったり、光を当ててもらわないと私たちは映らないし、本当にいろんな方が自分のすべき場所でプロフェッショナルな仕事をやっているものが一つになるのがドラマだと思っているので、私は俳優部としてしっかりこの作品に向き合って、やるべきこと真摯(しんし)にやっていけたら思います。

  • 伊原六花

座長の背中を見せてくれた趣里や広瀬アリス

――今までいろんな作品に出演されてそれぞれに主演の方がいらっしゃいますが、そういった方々の姿を見て参考にしたいことはありますか?

お芝居のことに関してすごく刺激を受けたのは、『ブギウギ』(NHK)の趣里さんです。もちろん現場での居方もとても勉強になりましたが、芝居ですごく引っ張ってくださったので、素敵だなと思いました。

それと、『マイ・セカンド・アオハル』(TBS)の広瀬アリスさん。「このメンバーが大好きなんだ!」っていう気持ちがすごく伝わってきて、だからこそできた空気感がありました。シェアハウスのお話なので、みんなで何かをするということを大切にしてくれたし、一人ひとりに向き合ってくれて、私もお芝居に関して相談させてもらっていたんです。役と同じような関係性でそばにいてくださって、こちらもすごく素敵な座長さんだなと思います。

――その一方で、今回は役と同じような関係性でいるのは難しいですね。

そうですね(笑)、息子役の子くらいです。なので、お昼休憩の時間などは、できるだけそばにいて、「一緒にお弁当食べない?」って誘ってみようと思います。

――甥っ子さんが報告してくれなくなったという近況があると、ちょっと心配になりますよね。

本当のママと食べるとか言われたらどうしよう(笑)。でも、頑張って距離を詰めていこうと思います。

――親子2人のシーンは、シリアスで心の痛むシーンが多い作品の中で、ほっこりする場面になりそうですね。

優香自身、復讐しながら子育てをするという両立が、本当に難しいと思うんです。復讐心に引っ張られそうなったとき、子どもの存在で平常心に戻ってこられたり、それがこの作品の面白いところかなと思っているんです。

復讐から引き戻す要素があることで、作品の見え方が変わってくるような気がして。優香が復讐心にかられると、見ていて「そっちに飲み込まれちゃうのか…」と心配になる方もいるだろうし、逆に「もっとやれ! もっとやれ!」って共感する方もいるだろうし。話が進むにつれ、その優香の絶妙な立ち位置がどこにあるかが一つ大事になってくると思うんです。だからこそ、息子役の子としっかり関係性を築いて、丁寧に描いていけたらと思っています。

――そうすると、SNSの反響とか楽しみじゃないですか?

楽しみですね。怖さもありますけど(笑)

――結構ドラマのOA中とか、エゴサ的に見たりするのですか?

はい(笑)。人の考察とかがすごく好きなので、自分が出ていない舞台を観に行ったときも、感想をすごく読みます。