JR東海は、レール造プラットホーム上家の耐震補強計画について発表した。東日本大震災での被災事例を踏まえ、地震発生時の安全性をより一層高めるため、2021年から各駅でプラットホーム上家の耐震補強を進めている。

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    レール造のプラットホーム上家

今回、技術開発によりレール造プラットホーム上家の耐震性能確保が可能になったとして、利用が1日1万人以上の駅のうち、プラットホーム上家の柱や梁にレールが使用されている6駅(三島駅、富士駅、掛川駅、豊橋駅、安城駅、大垣駅)を対象に耐震補強を実施する。工事費は約8億円、工期は2024年3月から2034年3月までを予定している。

レール造プラットホーム上家の耐震補強工法に関して、実際に上家で使用しているレールを用いた実験を行い、材料性能等の確認と注脚部の根巻き補強で耐震性能の確保が可能であることを確認したほか、耐震性能の検証手法と合理的な補強工法の技術開発(特許出願済)も行われた。

  • 対象駅(大垣駅)の例(提供 : JR東海)

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    耐震補強の工法例

耐震補強の工法例として、注脚部の根巻き補強に加え、必要に応じて地震の揺れを吸収するダンパーを設置。地震時にダンパーが伸縮することで、柱に生じる圧縮・引張の変形を低減するという。