日本テレビ系ドキュメンタリー番組『NNNドキュメント’24』(毎週日曜24:55~)では、『届かない 救えない~能登半島地震から1か月~』(テレビ金沢制作)を、きょう4日に放送する。

  • 孤立集落での自衛隊の活動

2024年、元日の石川県内は、各地の神社には大勢の人が訪れ、それぞれ健康や幸せを願っていた。そんな希望に満ちた年の初め、県内は最大震度7の大地震に襲われた。

金沢から離れた震源地・能登地方の被害の全容がつかめない中、NNNのヘリのカメラは、暗闇の中、輪島市中心部が炎に包まれる様子を捉えた。そして一夜明け判明した地震の爪痕。奥能登では多数の家屋が倒壊し、住民が下敷きに。沿岸部は津波に襲われ、道路には漁船が打ち上げられていた。また、至る所で土砂崩れや道路の崩落が起きて交通網が遮断。多くの高齢者が住む集落には物資が届かず、孤立状態となった。

奥能登の中でも半島の先端に位置する珠洲市は、ここ数年、断続的に地震が起こっていた。おととしには震度6弱、昨年は震度6強と、ここ数年、地震活動が活発となっていたのは“地下の流体”が原因とされているが、その詳しいメカニズムは解明されていない。

そうした揺れが続く中、タクシー運転手として働く地元の男性は、昨年の震度6強の地震によって、珠洲市内にある自宅が半壊したが、500万円あまりをかけて修理し、昨年の暮れにようやく完成したばかりだった。

元日に孫が遊びに来るのが楽しみだと話していた男性は「やっぱりうれしい。うれしいですよ。元の生活に戻れるから」と話していた1カ月後に再び被災し、修理した自宅は跡形もなく全壊した。さらに、自らのタクシーも津波で流されてしまった。

新年早々、多くの住民が避難生活を余儀なくされ、全面復旧の見通しが立たない能登の被災地。死者数は200人を超え、少なくとも4,000棟の住宅被害が確認されるなど、被害件数は日に日に増し、災害関連死などの二次被害も拡大しつつある。そして、住み慣れた土地を離れざるを得ない状況が能登の各地で起きている。

いまだ全容が見えない今回の地震は、「一体何が起きたのか」。そして、「住民らはどう動いたのか」…様々な映像や取材からひも解いていく。