NHK大河ドラマ『光る君へ』(総合 毎週日曜20:00~ほか)で主人公・紫式部(まひろ)役を務めている吉高由里子にインタビュー。藤原道長役の柄本佑との共演などについて話を聞いた。
「『頑張ろうね』と励まし合いながら撮影しています」
大河ドラマ第63作となる『光る君へ』は、平安時代を舞台に、のちに世界最古の女性文学といわれる『源氏物語』を生み出した紫式部の人生を描く物語。主人公・紫式部(まひろ)を吉高、紫式部の生涯のソウルメイト・藤原道長を柄本が演じ、脚本は大石静氏が手掛けている。
吉高と柄本は、2020年に放送された吉高主演の日本テレビ系ドラマ『知らなくていいコト』でも共演しており、今回が2度目。同作も大石氏が脚本を手掛けていた。
吉高は、柄本について「『知らなくていいコト』でも共演していたので、最初から“戦友感”がある」と言い、励まし合いながら撮影していると明かす。
「いてくれたら安心するというか頼もしいというか、ある程度関係性が築けている時にまた巡り合えてよかったなと思います。一日中しんどい日もあって、ずっと手で土を掘っている日や、1日中お互い泣いているシーンもありましたが、『頑張ろうね』と励まし合いながら撮影しています」
そして、「シリアスなシーンも、ラブシーンの前も、すごくフラットに会話してくれるので、こちらも緊張しないというか、リラックスさせてもらえるような空気感を作っていただいています」と柄本に感謝した。
道長については「賢い」という印象を抱いているそうで、「最初の頃はもっとのんびりした男性だと思っていましたが、ちゃんと客観的に周りを見て、視野も広い男性だなと。ここからどう政治権力の階段を上がっていくのかすごく楽しみです」と期待した。
ラブシーンは「現代っぽい言葉なのでリアル」
気になるラブシーンについては「現代っぽい言葉なのでリアル」だと言い、「スピード感のあるラブシーンのやりとりがあるのに、急になでるような時間の流れ方になったり、文字だけで時間の早さが変わって見えるのが面白いなと感じました」と語った。
まひろの道長への複雑な恋心もしっかりと描かれるようだ。
「『あなたはこの国を変えて』という気持ちと、『何もかも捨てて自分といてほしい』という気持ちと、揺らいでいる感じですが、『そんな揺らぐとページ数もセリフも増えちゃうから、はっきりしてくれよ(笑)』と思うんですけど、それが人間ドラマの魅力なんですよね」
京都周辺の紫式部ゆかりの地と言われている場所を訪れたことも明かし、陽明文庫では、道長の直筆の日記を見ることができたという。
「1000年前の時代のものが残っているというのはすごいことですし、すごく貴重な経験をさせていただいたなと感じています。大石さんは『いや~道長の字~!』って震え上がるぐらい興奮していました」
また、紫式部が『源氏物語』という長編の物語を書き上げたエネルギーの源について、「文章を書くことで自分と会話できていたのかなと思います。書いているときに自分の心がやっと感じられるというか、そうでないとあんなに書けないよなと思います」と推測。
当時は紙が非常に高価なもので、道長から紙をもらいバックアップしてもらっていたと言われていることから、「その力もあるのかなと。書きあげて読んでほしいという気持ちもあったかもしれないし、恩返し的な気持ちもあったかもしれない」とも話していた。
1988年7月22日生まれ、東京都出身。2006年、『紀子の食卓』で映画デビュー。2008年に『蛇にピアス』で主演し注目を集め、2014年にはNHK連続テレビ小説『花子とアン』でヒロインを務める。近年の主な出演作は、ドラマ『東京タラレバ娘』(17)、『正義のセ』(18)、『わたし、定時で帰ります。』(19)、『知らなくていいコト』(20)、『危険なビーナス』(20)、『最愛』(21)、『風よ あらしよ』(22)、『星降る夜に』(23)、『ユリゴコロ』(17)、『検察側の罪人』(18)、『きみの瞳が問いかけている』(20)など。
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