テレビ朝日系ドラマ『マルス-ゼロの革命-』(毎週火曜21:00~※初回拡大スペシャル)がきょう23日にスタートする。ドラマ『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(19年)などを手掛けた脚本家・武藤将吾氏の完全オリジナルである今作は、なにわ男子の道枝駿佑演じる謎多きカリスマ転校生・美島零(みしま・ぜろ)《ゼロ》と落ちこぼれ高校生たち7人が大人社会に反旗を翻す、前代未聞の「青春“クーデター”サスペンス」。

高校生たちが結成する動画集団「マルス」の“お笑い担当”で、おバカで能天気なお調子者、「ロックじゃねえ」が口癖の超ポジティブ思考なバンドマン・二瓶久高を演じるのが俳優の井上祐貴。今回は井上に、リーゼントにヒゲ姿という高校生らしからぬインパクト大なビジュアルや、自分とは正反対だという二瓶のキャラクターについて話を聞いた。

  • 井上祐貴

    俳優の井上祐貴 撮影:泉山美代子

これまでのイメージにないキャラクターに挑戦

――今作に出演すると聞いたときの心境を教えてください。

今回、2023年1月に放送されたテレビ朝日のスペシャルドラマ『やっぱそれ、よくないと思う。』をきっかけに声をかけていただけたと知って、一つの自信にもつながりましたし、また同じスタッフさんとご一緒できることがすごくうれしかったです。

――台本を読んだ感想は。

僕にとって新しい挑戦をする役だなと感じました。日頃から常に挑戦していきたいと思っているタイプなので、不安もたくさん感じましたが、「大丈夫かな?」とドキドキしながら行く現場のほうが好きなのでありがたいです。さすが武藤さんだと感じられるメッセージ性の強い物語で、映像になったときに絶対に面白いものになるという感想を持ちました。

――これまでの井上さんのイメージにないような役ですよね。

僕が一番思ってます(笑)。二瓶はビジュアルもそうですし、キャラクターとしても自分とは正反対にいる人間なので、できるかなと不安もあって。クランクイン前、監督に「こういうテンション感でやろうと考えてます」と相談をしたのですが、「何も考えなくていいぞ、とにかくバカであれ」と言っていただいて、少しだけホッとました。

――井上さんと一番違うところは。

とにかくずっとテンションが高いのと、僕はいろいろ考えて言葉にするタイプなのですが、二瓶は感じたことや、ちょっと引っかかったことをすぐ口に出してしまうキャラクターなので、そこは大きく違いますね。

  • 井上祐貴

残り少ない“学生役できる時間”を大切に楽しみたい

――二瓶には“お笑い担当”という役割もありますが。

ビジュアル含め、画面に映ったときにクスッと笑っていただけるキャラクターになれたらうれしいですね。二瓶自身は、自分をお笑い担当だと思っていなくて、なんなら自分が一番イケてると思っていそうなので、そこが面白さなのかなって。とにかくインパクトのあるビジュアルに負けないくらいのお芝居ができたらと思っています。リーゼントでヒゲも生えてますが……高校生役です!(笑)

――(笑)。最初に鏡を見たときの感想は。

面白かったです。僕はヒゲが本当に生えないのでつけヒゲなのですが、濃さも調整して、いろいろなのを付けてみて、ベストなものを監督含め話し合いました。僕からも、リーゼントの高さや衣装について「こっちのほうが二瓶っぽいですかね」と意見させていただいて。皆で作り上げたこだわりのビジュアルになっているので、少しでも面白いと思っていただけたら。

  • 井上祐貴

――現場でやりたいことはありますか。

僕は年齢的に多分もう数えられるぐらいしか学生役をできないと思うんです。今も鏡を見て「大丈夫かな」って思う瞬間がいっぱいあるんですけど、不思議と、制服を着てカメラの前に立つとそんなの忘れちゃうんですよね。残された学生を演じられる時間を大切に楽しみたいので、タイミングを見つけて教室でのオフショットとかを撮りたいですね。

脚本に込められたメッセージを感じてほしい

――井上さんが、二瓶の魅力だと感じるところは。

学校では、すれ違った人に「おぉ~」って挨拶されるし、するし。二瓶のことを本気で嫌いな人はいない、愛されキャラなのかなと。

――同じ学校にいたら友達になりたいですか。

……休みの日は別に遊ばなくていいかな(笑)。学校で一緒にお昼ご飯を食べるくらいでいいです。仲良くなりすぎたら、バンドをやらされたり、気付いたらおそろいのリーゼントにされてそうなので、いい距離感で(笑)。

――(笑)。第1話から過激なテーマも登場する今作ですが、SNSの反応や考察で楽しみなことは。

題材としては過激な部分もありますが、それよりも武藤さんが込めたメッセージがズドーンとダイレクトに届く台本になってると僕は感じたんです。視聴者の方にも何か感じていただけるものがあればうれしいですね。SNSはどこで火がついて話題になるのか予想できないので、皆がどんな反応をしてくれるのか? そこを楽しもうと思っています。

  • 井上祐貴

  • 井上祐貴

■井上祐貴
1996年6月6日生まれ、広島県出身。2017年に、第42回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し、翌年にホリプロに所属。2018年、ミュージカル『ピーターパン』で海賊マリンズ役として俳優デビュー。2019年7月、特撮ドラマ『ウルトラマンタイガ』で工藤ヒロユキ役としてテレビドラマ初主演を果たす。映画は『劇場版 ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』(20)、『NO CALL NO LIFE』(21)、『Bittersand』(21)で主演を務めた。近年の出演作に、『卒業タイムリミット』、『silent』、『花嫁未満エスケープ 完結編』、『大奥「8代・徳川吉宗×水野祐之進 編」』、『unknown』、『にがくてあまい』、『何曜日に生まれたの』、大河ドラマ『どうする家康』など。