俳優の桐谷健太が、2024年3月3日よりWOWOWで放送・配信される『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』(WOWOWプライム/WOWOW4K/WOWOWオンデマンド 全5話 毎週日曜 22:00~※第1話は無料放送)に主演することが26日、明らかになった。

  • 上段左から倉科カナ、桐谷健太、斉藤由貴、下段左から蓮佛美沙子、橋本良亮

人間の心の暗部を描く"イヤミス"の名手のひとり、真梨幸子。小説は映像化不可能とも言われる衝撃作が多い中、尾野真千子主演で話題を呼んだ『フジコ』(Hulu/原作は『殺人鬼フジコの衝動』)、WOWOWで映像化した同じ名前の女性が悪の渦に巻き込まれる『連続ドラマW 5人のジュンコ』は大きな話題を集めた。それに続く映像化第3弾となる『連続ドラマW 坂の上の赤い屋根』が、WOWOWで放送・配信される。

物語は、新人作家が18年前の"女子高生両親殺害事件"をモチーフにした小説企画を、出版社の編集者に持ち込んだことから始まり、やがて登場人物たちが抱える嫉妬、劣等感、孤独、過去など"黒い感情"の正体と事件の真実が明らかになっていく。

主人公の轟書房編集者・橋本涼を演じるのは、桐谷健太。新人作家・小椋沙奈は倉科カナ、"女子高生両親殺害事件"の主犯格とされる死刑囚・大渕秀行はA.B.C-Zの橋本良亮、大渕と獄中結婚した法廷画家・礼子は、蓮佛美沙子、大渕に破滅させられたパトロンでもあった元編集者・市川聖子は斉藤由貴が演じる。

今回、物語の軸となる"女子高生両親殺害事件"や登場人物たちが抱える"闇"が垣間見える映像も公開された。事件の現場ともなり、タイトルにもある「赤い屋根の家」が何を意味するのか? 事件を小説にする意味、そして衝撃の真相が気になるダークな映像美が展開する。キャストのコメントは以下の通り。

【桐谷健太コメント】

初めに企画書を読ませていただいた瞬間からこれは面白い作品になりそうだなと思い、即決しました。そしてこの橋本という人物は他人から見ると得体の知れない、何を考えているか分からない男ですが、そこにはやはりタネがありました。そのタネを辿りながら、橋本という木を育てました。このミステリーは、登場人物の業や欲望、彼らの宿命の渦が、覆い被さり、ぶつかり合い、消え、更に大きくなる。もしかしたらそこには、あなたの心の奥深くの何かと重なり合うかもしれません。是非楽しんで観ていただけたら幸いです。

【倉科カナコメント】

脚本を読んだ時、最後まで結末の気になるストーリーに魅了されました。私が演じる小椋沙奈という役の誰かに認められたいが故の焦燥感や抑圧、そこから生まれる爆発、自分の力を誇示したい気持ちは多少なりともわかるので、その部分を増幅させて役に挑みました。本当に大変な役だったのでエネルギーを使いましたが、主演の桐谷さんの人柄に何度も救われて演じ切ることができたと思います。是非たくさんの方にこの作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。

【橋本良亮コメント】

死刑囚という役柄は初挑戦で12~3キロ減量して、外見と内面の役作りをしました。小説では大渕はものすごく"爽やかイケメン"と強調されていたので、ドラマを撮影するにあたってハードルが高かったです。一作品で高校生から30代後半まで年齢の振り幅が広い役を演じ、さらに大渕という人物には色々な面があり、撮影もすごく楽しんでやることが出来ました。 30歳を迎えての節目の作品でもあり、これまでにない"橋本良亮"をご期待いただけたらと思います。是非、大渕秀行に惚れてみませんか?

【蓮佛美沙子コメント】

孤独、抑圧、侮蔑。彼女の周りに浮遊するワードはどれもハードなものなのに、誰もがどこかで共鳴してしまうような、不思議な"何か"を内包した役でした。卑屈な感情に支配されて相手の台詞が聞こえなくなったり、役を通して出会った初めての感覚はとても苦しく、同時に役者としてとても幸せな時間でした。謎が解き明かされていく面白さはもちろん、登場人物のいろんな"欲"が、歪な形で画面いっぱいに漂っていると思います。楽しんでいただけますように。

【斉藤由貴コメント】

この作品は、登場人物が皆、様々な過去を十字架のように背負い、生身の人間の裏の部分、憎しみ、裏切り、強欲などを抱えながら生きている、残酷だけれどある意味とても血の通った物語であると感じました。私が演じた市川聖子という人も、編集者としての栄誉、名誉、お金、そして美しい若い男、それらにしがみつきながらも運命に振り払われてゆく女の悲しさや醜さが描かれていて、演じていてとても魅力的な人物でした。栄華を極めていた時代、落ちぶれた現在、若い女盛りの時代、老いて諦めてしまった現在。演技者として、何か、託されたと思えて、とても嬉しい経験でした。

【編集部MEMO】

真梨幸子は、1964年生まれ。宮崎県出身。2005年に出版したデビュー作『孤虫症』で第32回メフィスト賞を受賞。『殺人鬼フジコの衝動』(2008年)は、60万部を超えるベストセラーに。読後に嫌な気分になる後味の悪いミステリー、いわゆる"イヤミス"の旗手として注目を集める。著書としては『5人のジュンコ』(2014年)、『向こう側の、ヨーコ』(2018年)、『初恋さがし』(2019年)など。