JR東日本横浜支社は14日、鶴見線の新型車両として導入するE131系1000番代の報道公開を実施した。鶴見線のE131系1000番代はストレート車体を採用。12月24日から営業運転を開始し、2023年度中に計24両(3両編成×8編成)を導入して既存の205系を置き換える。
鶴見線は鶴見~扇町・大川・海芝浦間を結び、横浜市鶴見区と川崎市川崎区の工業地帯を走る。現在は3両編成の205系が活躍中だが、安全性・安定性・快適性を高め、輸送品質の向上をめざし、新型車両を導入することとなった。
E131系は郊外や地方など、比較的短編成の線区向けの標準的な車両として、さまざまな線区に対応できる設計とした直流電車。総合車両製作所(J-TREC)が製造した「sustina」ブランドのステンレス製車両で、2021年3月に内房線・外房線など房総地区の路線でデビュー。2022年3月から相模線と宇都宮線(小山・宇都宮~黒磯間)・日光線にも導入された。これら各線区とも拡幅車体(車体幅2,950mm)を採用している。
一方、鶴見線に導入されるE131系1000番代はストレート車体(車体幅2,778mm)のため、これまでのE131系とは印象の異なる外観となっている。E131系1000番代の車体前面は貫通扉を設けたような形状だが、実際には非貫通の車両だという。
今回、報道公開された編成(T1編成)は、1号車から「クモハE131-1001」(定員136人)、「モハE131-1001」(定員151人)、「クハE130-1001」(定員136人)。2M1T(電動車2両・付随車1両)の3両編成で、最高速度は100km/h。外観は海をイメージしたスカイブルーを取り入れるとともに、車体前面のドットを鶴見線で活躍した歴代車両のカラーである茶色(1959~1996年に運行)・黄色(1979年から現在まで運行)とし、鶴見線の歴史を表現している。車体側面の窓上・窓下にスカイブルーと黄色のラインを配置した。
乗降ドアに半自動機能を搭載したほか、ホームとの段差も低減させている。車体前面・側面の種別・行先表示器はフルカラーLEDに。ワンマン運転に対応した機器として、各車両の車端部(窓上)に乗降確認カメラを設置し、乗務員が運転台から乗降を確認できるようにした。
車内はオールロングシートで、外観との統一を図った内装としている。座席に青色を用いることで、海沿いを走るさわやかな雰囲気を表現したとのこと。既存の205系は1人あたりの座席幅が約435mmだったが、E131系1000番代の座席幅は約460mmに拡大。車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースを各車両に設置し、優先席とともにわかりやすい配色とした。
一部のドア上部に17インチの大型ディスプレイを配置し、運行情報や乗換案内など多言語表示で情報提供の充実を図る。安全性向上のため、各車両に車内防犯カメラを設置したほか、従来の車両では1両あたり1カ所だった非常通報装置を4カ所に増設。その他、空調装置も改善したという。