JR東日本横浜支社は22日、相模線の新型車両E131系500番台の報道公開を実施した。既存の205系500番台に代わる新型車両として、11月18日から順次、営業運転を開始する。今年度中に計48両(4両編成×12編成)の導入を計画している。

  • 相模線に導入される新型車両E131系500番台が報道公開された

E131系は「郊外や地方など、比較的短編成の線区向けの標準的な車両」「さまざまな線区に対応できる設計とした直流電車」とされ、今年3月に房総・鹿島エリア(内房線、外房線、鹿島線、成田線)でデビュー。相模線に続き、2022年春頃から宇都宮線(小山~黒磯間)と日光線でもE131系が営業運転を開始する予定となっている。

相模線に導入されるE131系500番台は4両編成(2M2T)。報道公開されたG-01編成は、1号車から「クハE130-501」「モハE130-501」「サハE131-501」「クモハE131-501」、先頭車は2両とも定員142名、中間車は2両とも定員160名と記されていた。総合車両製作所が製造した「sustina」ブランドのステンレス製車体に「遠くまで広がる湘南の海をイメージした濃淡2色の青色」を配し、前面デザインは「遠くまで広がる湘南の海とダイナミックな波の水しぶきを水玉模様で表現」した。

既存の205系500番台は車体幅2,800mmだったが、E131系500番台は車体幅2,950mmの拡幅車体を採用。車体前面・側面の種別・行先表示器はフルカラーLEDに。最高速度は205系500番台の100km/hに対し、E131系500番台は110km/hとなった。

  • E131系500番台は4両編成。濃淡2色の青色を配し、前面デザインは「遠くまで広がる湘南の海とダイナミックな波の水しぶきを水玉模様で表現」したという。車体側面上部に乗降確認カメラを設置している

  • E131系500番台の車内はロングシート

  • 優先席とフリースペースは識別しやすい配色に

  • E131系500番台の運転台

先に登場した房総・鹿島エリア用のE131系はロングシートを主体としつつ、4人掛けのクロスシートも配置していたが、相模線のE131系500番台はロングシートのみ。座席のカラーに「相模川の豊かな流れや湘南の海をイメージした爽やかなブルー系のツートンカラー」を採用した。1人あたりの座席幅は205系500番台の約435mmに対し、E131系500番台では460mmに拡大。低座面化とクッション性向上も図った。バリアフリー化も推進し、ホームとの段差を低減するとともに、車いす・ベビーカー利用者向けのフリースペースを各車両に設置。優先席とともに識別しやすい配色とした。トイレは設置されていない。

安全性向上のため、各車両の客室に車内防犯カメラを設置したほか、従来の車両では1両あたり1カ所だった非常通報装置を4カ所に増やしている。乗降ドアは荷物が挟まれた場合でも引き抜きやすいドアとし、半自動機能も搭載。ドア上部の17インチ大型ディスプレイは1両あたり4カ所の千鳥配置とし、運行情報・乗換案内など表示するほか、多言語による情報提供も行う。空調装置も改善しているという。

現在、相模線ではワンマン運転を行っていないが、新たに導入されるE131系500番台はワンマン運転に対応した機器を搭載。車体側面の上部に乗降確認カメラを設置し、乗務員が運転台から乗降を確認する機能を備えた。ただし、相模線でのワンマン運転の実施については決まっていないとのこと。その他、モニタリング技術を活用した車両搭載機器や線路設備状態監視機能(一部編成で採用)により、故障の予兆を把握し、事前に対処することでさらなる安全性・安定性向上を実現。主回路機器にSiC(炭化ケイ素)半導体素子を採用し、車両の消費電力を抑制して環境機能を向上させた。

相模線のE131系500番台は11月18日から営業運転を開始し、茅ケ崎~橋本間のほか、朝夕の一部列車において横浜線橋本~八王子間への直通運転も行う。なお、相模線に導入される全12編成のうち、11・12編成目の両先頭車に線路設備状態監視機能が搭載され、この2編成を「580番台」にするとのことだった。

  • E131系500番台の車内・外観