映画『隣人X -疑惑の彼女-』の記者会見が9日に台湾で行われ、上野樹里、ファン・ペイチャ、熊澤尚人監督が登壇した。

  • (左から)ファン・ペイチャ、上野樹里、熊澤尚人監督

■上野樹里、共演のファン・ペイチャに感謝伝える

記者会見には、上野と熊澤監督に加えて、同作にも出演しているファン・ペイチャも出席。憧れの上野と共演した感想や今作を通して伝えたい思いを語った。

台湾に来た感想を問われた上野は、「みなさん警戒心を持たず、人の目を気にせずに、隣にいる人とただ楽しく話しながら歩いている。これが自然体だなと感動しました」と時には涙で声を詰まらせながら話す。続けて「“普通”って麻痺しがちなものですが、台湾に来てみて、人がいるって温かいんだなと感じました。一人でいても独りじゃないと感じ、心がとても解かされて、身体の調子もすごくよく、リラックスすることができました。大事な感覚を台湾に来て思い出させてもらえました」と語った。

熊澤監督も「僕は台湾が大好きなんです」とはにかみながら回答。「台湾に来ると、自分の心が本当に洗われます」と上野のコメントに共感しつつ、「是非、台湾の方にも本作を鑑賞していただいて、感想を話し合っていただきたいです」とアピールした。上野も「台湾のみなさんに観て頂いて、どんな風に日本を感じて頂けるのか、いろんな感想を楽しみに待っています」とメッセージを送っていた。

そして、良子(上野)のアルバイト先の同僚で台湾人留学生のリン・イレン役を務めたファン・ペイチャとの共演について「今回はペシーさんが出演してくれたことで、日本映画の世界観に大切なエッセンスを加えて頂いたと思います。本当にありがとうございます」と感謝を伝える。「まっすぐに気持ちを伝えるというのはシンプルなことなのに、SNSが発達することで逆にできなくなっていたり、普段忘れかけていたことや、素直に表現できない気持ちを、ペシーさんが演じるレンから言葉を超えて感じるものがすごくありました」と振り返り、「台湾・日本のどちらの方にも言葉を超えて交流できることが嬉しいです。共演できてよかったです」と隣に座っていたファン・ペイチャに対し、照れくさそうに微笑んだ。

【編集部MEMO】
映画『隣人X -疑惑の彼女-』はパリュスあや子氏による小説『隣人X』の実写化作。紛争のため故郷を追われた惑星難民Xが溢れ、各国がその対処に苦慮していた世界、人間の姿をそっくりコピーして日常に紛れ込んだXがどこで暮らしているのか、誰も知らない。そんな中、週刊誌記者の笹憲太郎(林遣都)はX疑惑のかかった柏木良子(上野樹里)の追跡を始める。スクープの為に自身の正体を隠しながら徐々に良子へ近づいていく笹だったが、2人は少しずつ距離を縮め、やがて笹の中に本当の恋心が芽生えていく。