インテージは、日用消費財の中で何がより売れたかを、推定販売金額の伸びから振り返る「2023年、売れたものランキング」を12月6日に発表した。同調査は、全国約6,000店舗より収集している小売店販売データ、SRI+(全国小売店パネル調査)をもとにしている。

  • 1位・強心剤は前年1.8倍、2位・口紅は1.6倍。コロナで苦戦した商品が復調

1位となったのは強心剤。動悸、息切れ、気付けなどへの効用をうたう医薬品が、前年比183%でトップとなった。コロナ禍の時期には販売苦戦ランキングの上位にも入っていた商品だが、外国人旅行客の増加とともに売り上げが急回復している。

同じく訪日客に人気のビタミンB1剤も4位(148%)、インバウンドに加えて国内需要も強かった13位・ビタミンC剤(132%)、14位・整腸薬(131%)などもランクインした。

2位に入ったのは口紅(164%)。外出減に加えマスクで隠れる部分の化粧品ということもあり、2021年にはコロナ前の約3分の1まで販売金額が激減していたが、2019年と比べても8割超まで復活。

マスクがかかるほほべにも7位(139%)となるなど、力強さが見えてきたという。口紅同様に唇に塗るものでは11位・リップクリーム(135%)でランクイン。脱マスクの流れを感じさせる結果となっている。

  • 猛暑の押し上げで好調商品も。9位・日焼け・日焼け止め、22位・ミネラルウォーター類など飲料系

統計史上最も暑い夏になったなどと報道されていたが、前年比売上ランキングにおいて大きく数字を伸ばしたのが9位の日焼け・日焼け止め(138%)。特に高温が続いた7月以降は、強い日差しや例年以上に汗をかくことで外出先での利用もあったのか売り上げも伸び、特にミストタイプのものなどが人気だったという。

18位・果汁飲料(123%)、21位・美容・健康ドリンク(121%)、22位・ミネラルウォーター類(119%)などの飲料も大幅増。熱中症対策の需要が高まる中、ビタミンや食物繊維を豊富に含むといった健康に訴求するものなどが伸びたと同社は考えている。

  • 販売苦戦ランキングは1位・体温計、2位・殺菌消毒剤。マスクは3位で夏場以降は前年比6割台

販売苦戦ランキングは、1位・体温計(61%)、2位・殺菌消毒剤(72%)、3位・マスク(75%)、7位・うがい薬(87%)など、コロナ禍に大きく伸長した衛生用品が上位に入った。

特にマスクは猛暑で気温が跳ね上がった夏場以降は6割台まで低下。街中でもマスクをしている人は少なく、大きな変化が感じられた。それでも上記の商品はコロナ前の販売金額を大きく上回っているとのこと。