JR東日本八王子支社は、12月2日に高尾駅構内で「来て観て感じて! グリーン車&鉄道クレーン車 体感ツアー in 高尾」と題したイベントを開催した。中央快速線などに導入する予定のE233系グリーン車が初めて一般公開された。

  • 高尾駅構内で「来て観て感じて! グリーン車&鉄道クレーン車 体感ツアー in 高尾」を開催。中央快速線・青梅線に導入する2階建てグリーン車の車内も公開された

高尾駅では、中央快速線・青梅線(東京~大月・青梅間)のグリーン車サービス開始に向け、10月20日深夜から10月22日早朝にかけて大規模な線路切換工事を実施。同駅1番線と、隣接する収容線を12両対応に変更した。以前の収容線は10両編成が5編成滞泊できる仕様だったが、線路切換工事にともない12両編成が3編成滞泊できる仕様になったという。12月2日の「来て観て感じて! グリーン車&鉄道クレーン車 体感ツアー in 高尾」は、新しくなった収容線などを会場として開催された。

線路切換工事で使用された鉄道クレーン車「KRC810N型」(ドイツ・KIROW社製)が収容線に展示され、高尾駅で実際に使用された分岐器をクレーンで持ち上げるデモンストレーションを間近で見学できたほか、線路の砂利を運ぶ際に使用したクレーンやトロなども会場に展示された。線路の点検で使用する業務用カート「ATカート」の乗車体験も行われ、高尾駅収容線に初入線したというE233系グリーン車の目の前をカートが走行した。

  • 2階建てグリーン車の前で「ATカート」の乗車体験

  • 収容線に展示された鉄道クレーン車。デモンストレーションも行われた

  • 高尾駅の線路切換工事で使用されたクレーンなども展示。フォトスポットも用意された

  • 「中央快速線等グリーン車導入プロジェクト」のパネル展示に加え、鉄道古物の展示も

会場内に展示ブースもあり、中央快速線・青梅線へのグリーン車サービス導入にともない、各箇所で行われた工事をパネルで紹介。高尾駅収容線で実際に使用された鉄道古物も展示された。

その後、2階建てグリーン車を連結したE233系による乗車体験が行われ、イベントの参加者たちは2号車または7号車からE233系に乗車した。

  • 運行開始前のグリーン車をひと足早く体感

  • JR東日本の担当者がグリーン車について説明する場面も

  • 乗車体験がスタート。係員たちが手を振って見送る

今回のイベントで使用された車両は、6両編成のE233系(H57編成)に2階建てグリーン車2両(4号車「サロE233-1」、5号車「サロE232-1」)を組み込んだ8両編成。イベント開催にあたり、「グリーン車 乗車体験(2階窓側)」「グリーン車 乗車体験(1階窓側・通路側 2人1組プラン)」など全6種類の商品が発売されており、参加者たちは購入した商品をもとに2階または1階の席に座り、グリーン車の乗り心地を体感していた。先頭車両入場チケット付き商品も発売され、購入者はグリーン車の他に1号車または8号車での前面展望も体験できたという。

参加者たちを乗せたE233系は収容線から入換線へ向かい、折り返して高尾駅2番線に入線。その際、12両化に向けたホーム先端の延伸部分も見ることができた。ホーム上で中央線の列車を待つ利用者も、運行開始前の2階建てグリーン車に注目している様子だった。

  • 高尾駅発車後、下り線上の折返し地点(高尾駅構内「ナコ下」)で一旦停止

  • 高尾駅電留線へ。ホームに中央快速線のE233系が停車中

  • 高尾駅3番線から発車した後、12両化に向けたホーム延伸部分が見えた

  • 入換線で発車を待つ間、本線上をE233系やE353系が行き交う。2階建てグリーン車を組み込んだE233系は乗車体験を終え、高尾駅収容線へ

高尾駅2番線から相模湖方面へ発車し、踏切を通過した先にある下り線上の折返し地点(高尾駅構内「ナコ下」)で一旦停止すると、進行方向を変え、高尾駅ホームの南側にある電留線へ。ここまでが往路で、復路は電留線から「ナコ下」、高尾駅3番線を通り、入換線で折り返して収容線へ戻ってきた。1時間強の乗車体験を通じて、一般利用者が普段見ることのない特別な車窓を楽しめた。