「もし“推し”が自分の上司になったら……」という夢のようなシチュエーションを描き、話題となっているテレビ東京のドラマNEXT枠『推しが上司になりまして』(毎週水曜24:30~/「U-NEXT」では毎週水曜21:00~毎話独占先行配信中)。第1話はTVer再生数100万回を突破し「オタクに刺さるドラマ」と評判になっている。

舞台観劇が生きがいの会社員・中条瞳を演じる鈴木愛理と、瞳最推しの舞台俳優で実は御曹司で瞳の上司となる高城修一を演じる片寄涼太(GENERATIONS)。初共演の2人だが、「ここまで話せるんだね」と驚くくらい、互いに共感するところが多かったという。それぞれの印象や、作品に感じたこと、また会社員生活への憧れについても話を聞いた。

  • 鈴木愛理、片寄涼太

    左から鈴木愛理、片寄涼太 撮影:宮田浩史

■鈴木愛理&片寄涼太「意外と、悩みについて話したり…」

――このドラマのお話が来た時の心境を教えてください。

鈴木:いつもファンの方に推してもらっている立場として、繊細に演じることができたらいいな、楽しみだなという気持ちで作品に入りました。

片寄:推し活ブームの世の中で、この夢のような設定に自分は何ができるかなと模索しながら、全力で取り組みたいという思いで受けさせていただきました。

――お互いの印象はいかがでしたか?

鈴木:どういう方なんだろうと思ったままクランクインしたんですけど、同い年だし、実際お話してみると、とてもナチュラルで紳士的な方です。お気遣いもすごくて、現場で楽しくやらせていただいています。

  • 鈴木愛理
  • 片寄涼太

片寄:僕は歌番組での姿や、YouTubeで拝見していた印象がすごく強かったんですが、お会いしてみると飾らない明るい方だったので、すぐに打ち解けられました。短い撮影期間の中で長い話数なので、いかに早く絆を深められるかがポイントだなと思っていたので、いい撮影期間になりました。現場でも、今まで自分たちがどういう道を歩いてきたかというキャリアの話とか、けっこう深い話もしますし、かたや擬音語でただ遊んでいるだけみたいな時間もあります(笑)

鈴木:意外と、悩みについて話したりしているんです。

片寄:グループ活動という共通点もありましたし、共感する部分が多いですよね。

鈴木:こんなに考えていることが近いんだなと、意外でした。

片寄:「ここまで話せるんだね」と驚くくらい、うれしい出会いでした。

――演じる役柄にはどのような印象を持っていますか?

鈴木:仕事のすごくできる会社員だけど、仕事モードと推し活モードが全く違う役で、まっすぐ生きているからこそ出るコミカルさや人間っぽさを愛おしく思える主人公だという印象があります。シンプルに、推しが目の前にいる状況って、毎日が命日くらい信じられないと思うので、同僚には見せる予定のなかった顔が出ちゃう。そういう表情の微々たる差や、心の声と顔のギャップを表せたらいいなと、楽しく演じています。撮影で目と眉毛を上げすぎて、鏡を見た時に「眉毛の位置こんな高かったっけ!?」と驚いたんです。下がんない! 家でマッサージしたんですけど、それぐらい目をかっぴらいている時間が多かったです。大丈夫なのか、心配なくらい(笑)

片寄:仕事にかける思いが強い、責任感のあるキャラクターだという印象が強いです。だからこそ、舞台俳優でも会社の部長としても、仕事に対しての完璧主義の男性かなと思います。実は仕事してるシーン、そんな多くはないんですけど、丸の内に染まれるように意識しています(笑)

■金曜日はいつも…“調整金”

――片寄さんは、舞台を引退しても輝きがこぼれてしまうような役だと思うんですけれども、どういう風に演じられているんですか?

片寄:まあ、(輝きが)出ちゃってるというか……。

鈴木:はあ~!(笑)

片寄:引くな!(笑)

鈴木:出てます、出てます(笑)

  • 鈴木愛理、片寄涼太

片寄:自分なりに、ステージに立ってきた経験を活かして演じています。

鈴木:現場は、スタッフさんたちもきゃあきゃあ言っています(笑)

片寄:いやいや、とんでもないです。

――鈴木さんも仕事ができる会社員役ということですが、小さい頃からご活躍されてたので「会社員役をされるんだ!」と。

鈴木:よく言われます(笑)。30歳を目前にして、自分としては意外と違和感なくやらせていただいています。大学に行っていたので、パソコンに向かう環境に慣れてるというのもあるかもしれません。

片寄:何の違和感もないです。めちゃくちゃ丸ノ内の方です、

鈴木:いやだ~、すいません!

片寄:このノリでやってます(笑)

鈴木:でも、自分でも「もう学生の役じゃないんだ」と思います。私はグループが解散した頃は23歳で、その後は学生の役が多かったんですけど、スーツの役が増えてきた実感があります。説得力があるといいなと思います。でも演じてみて思うのは、やっぱりどんな方にもプライベートの楽しみがあって、「土日のためにお仕事を頑張る」みたいな感覚があるんだなと。憧れは“花金”という言葉です(笑)。この仕事をしていると、“花金”という感じはないじゃないですか。土日のライブに向けての“調整金”じゃないですか!?

片寄:調整金(笑)

鈴木:金曜日は、1番静かに過ごさないといけない。「花金だ~!」と発散できるのは憧れます(笑)

  • 鈴木愛理
  • 片寄涼太

――片寄さんは、会社員としてもお仕事ができそうなイメージがあります。

鈴木:待ってください、私は!?

片寄:正直、“僕は”そうですね(笑)

鈴木:ちょっと!(笑)

片寄:撮影しているビルで、本当に幼馴染が働いているんです。真面目に仕事してるんだなということを感じつつ、僕もやってみたいなと思いました。仕事のモチベーションも上がりそうなくらい、とても素敵なオフィスを貸していただいているので、こういうところで働いてみたいです。

■鈴木愛理
2002年6月、8歳で「ハロー! プロジェクト・キッズ オーディション」に合格。2005年6月に℃-uteを結成し、2017年まで活動。あぁ! 、Buono! としても活動した。2017年12月より、ソロ活動をスタート。女性ファッション雑誌『Ray』の専属モデルや、『オーイシマサヨシ×鈴木愛理のアニソン神曲カバーでしょdeショー!!』、『クラシックTV』のMCも務めている。10月5日よりテレビ朝日系バラエティ番組『お願い! ランキング presents そだてれび「あざとくて何が悪いの?」』の新MCに就任。

■片寄涼太
1994年8月29日生まれ、大阪府出身。2010年に「VOCAL BATTLE AUDITION 2」に参加しファイナリストとなり、2012年からはGENERATIONSのボーカルとして活動。俳優としても活躍し、主な出演作にドラマ『GTO』(14年)、ドラマ&映画『兄に愛されすぎて困ってます』(17年)、ドラマ&映画『PRINCE OF LEGEND』シリーズ(19年~20年)、ドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(19年)、『病室で念仏を唱えないでください』(20年)、『運命警察』(22年)、『波よ聞いてくれ』(23年)、映画『午前0時、キスしに来てよ』(19年)など。2024年1月~2月に戦国時代活劇「HiGH&LOW THE 戦国」上演を控える。