現在放送中の大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)で本多忠勝(平八郎)を演じている山田裕貴にインタビュー。戦国最強武将と称される忠勝をどのように捉え、どのように演じてきたのか。また、主演の松本潤とのエピソードや、“役を生きる”ことができたという印象深いシーンなどについて話を聞いた。

  • 『どうする家康』本多忠勝役の山田裕貴

誰もが知る歴史上の有名人・徳川家康の生涯を新たな視点で描く本作。主人公・徳川家康を松本潤が演じ、脚本を古沢良太氏が手がけている。山田は、徳川四天王の一人で、かすり傷一つも負わないと言われるほど最強の武将・本多忠勝を演じている。

■「いろんな人の思いを受け止めて戦っている人なんだろうなと」

山田は、忠勝のトレードマークでもある鹿角脇立の兜など、身に着けているものから忠勝の人物像をつかんでいったという。

「助けてもらったものに対してちゃんと敬意を持ち、人のことをものすごく思っている人だというのは、兜からも感じました。戦で逃げようとしたときに鹿に導いてもらったことで、わしを守るのは鹿じゃと思ったから鹿の角をつけたり、肖像画にもある数珠は、自分が斬った人や失った人の全部を背負って戦うという意味合いでついているらしく、そこまで人のことを背負う人なのだということを第1回から頭に置いていました」

続けて、「武士は涙など見せぬものかと思っていましたが、人のことをそこまで思える人なら、誰かのために涙を流すことは当たり前にできるのではないか」とも思ったと言い、「僕が演じる忠勝は、ものすごく繊細でいろんな人の気持ちがわかって、思いを受け止めて戦っている人なんだろうなと思いました」と語った。

そんな忠勝を表現するため、話していないときの表情にもこだわって演じたという。

「セリフを発していないときに殿を見つめる目などはめちゃくちゃこだわっていました。例えば、瀬名(有村架純)さんが死んでしまったときに殿を見る目は、自分が悲しいというよりも、殿が悲しいということが悲しいと思いながら見つめていて、シーンによって気持ちはさまざまです」

■「殿に寄り添っていよう」との思いで松本潤の隣に

12日に放送された第43回では、天下分け目の戦い「関ヶ原の戦い」が描かれ、家康率いる東軍が石田三成(中村七之助)を中心とする西軍に勝利した。

関ヶ原の戦いのときには、第1回から登場していた家臣団は忠勝のみという状況に。

「小平太(杉野遥亮)は真田を相手にしていたのでいなかったですし、第1回から出ていた家臣団は僕しかいなかった。直政(板垣李光人)も第15回からの登場だったので。ほかは新たに入ってきたキャストさんで、豊臣方の武将の人たちだったので寂しかったです。殿と『違うドラマみたいだね』と話していました」

家康の隣にいることが多い忠勝。山田は「どうやって忠勝は殿の隣にいたんだろうということだけを考えていました」と言い、「自分の思いを吐ける部分があまりなかったので、佇まいだけで殿をどう思っているか見せないといけないという難しさはずっと感じながらやっていました」と打ち明けた。

現場では「殿に寄り添っていよう」という思いで松本と過ごしていたという。

「何か聞かれたら真剣に考えて答えようという、家康と平八郎みたいな感覚で現場にいました。殿がこういう風にやりたいと言えば、わかりましたと。ずっとそんな居方だったと思います」

そして、「ちゃんと殿の力になれているのかなとずっと思っていた」と吐露。「この前初めて、『この言い方、もっとこう言ったほうがいいかな?』と聞いてきてくれたときは、本当に救われたなと。頼ってくれてすごくうれしかったです」と安堵の表情を浮かべた。