――SKaRD隊員の方々はみな、役を演じているときとふだんのイメージにギャップが少なく、ナチュラルな演技をされている印象を受けます。それぞれの役作りと、5人のチームワークについて聞かせてください。

田口監督は、キャスティングの段階で役にピッタリハマる人材じゃないと……というお話を伺いまして、それくらいシビアな感覚で選んでいただいたと思って、こちらも気をひきしめました。1話完結エピソードの積み重ねの中で、SKaRDの5人が仲間として完成されていく過程を見せたい。それが僕たちの共通の目標でした。台本上では、どんどん仲良くなっていく描写がありますけれど、その行間をどうやって埋めようか、という部分に注意をしました。

撮影中でもプライベートで集まって、今はこれくらいの距離感だよね、こういう感じだよねと話し合って、別のお仕事で疲れているヤスノブをねぎらうとか、撮影カメラを向けていない「余白」の部分を役者のほうで作り込んでいこうとしていました。そういうとき、率先して引っ張ってくれるのがゲント隊長の蕨野さんなんです。たとえば、最初のころはまだSKaRDも出来たばっかりだから、プライベートで仲良くなりすぎないようにしようとか、役に対してとても誠実だなと思いました。僕もテルアキと同じく、チームの潤滑油的存在でいようと、強く意識をしていました。撮影が終わった今でも、蕨野さんは僕のことをテルアキと呼び続けています。おそらくもう、伊藤祐輝とは呼ばれないのかもしれません(笑)。

――そういった役者さんたちの意識は、観ている子どもたちにもリアリティとして伝わっているはず。まさに『ウルトラマン』の科学特捜隊メンバー、ムラマツキャップ(演:小林昭二)、ハヤタ(演:黒部進)、イデ(演:二瓶正也)、アラシ(演:石井伊吉/現:毒蝮三太夫)、フジアキコ(演:桜井浩子)たちの活き活きとしたキャラクター性を目指しているようにも思えます。

偉大なるレジェンドのみなさんの足元にも及ばないかもしれませんが、SKaRD独自のチームワーク、それぞれの隊員が打ち出す個性はしっかり作っていこうと、最初のときからみんなで話し合いました。

――第8話「虹が出た 後編」のラストでは、ゲント隊長とテルアキが農作業の後、休憩しているシーンが観られました。あそこで蕨野さんが伊藤さんにラムネを手渡すところ、蕨野さんは事前にわざとラムネの瓶を「激しく振っていた」そうなんですが、伊藤さんは栓を抜かなかったので何も起こらず、スムーズに撮影できたようですね。もしかして、蕨野さんのイタズラに気づいていたのですか?

ぜんぜん気づいていませんでした(笑)。もしも本番でテルアキが「ありがとうございます」とラムネを飲もうとしていたら、炭酸が噴きこぼれてえらいことになっていたはず。あそこはラムネを飲んでも飲まなくてもいい芝居だったので。見えざる力といいますか、何者かの力が働いて、ゲント隊長のトラップにひっかかるなと止めてくれたのかもしれません(笑)。

――夏に開催された「ウルトラヒーローズEXPOサマーフェスティバル(ウルサマ)」に出演された際、初めて子どもたちからの声援を直接浴びられたと思います。あのときのお気持ちはいかがでしたか。

会場にお越しのみなさんからの歓声がダイレクトに届き、テルアキというか、僕自身が応援してもらっているようにも思えて、感激しました。純粋な気持ちで応援していただいている事が伝わってきて、本当に心の奥まで響きました。ステージ上で思わず泣きそうになりました。涙もろいタイプですので……。

――『ウルトラマンブレーザー』の撮影で、特に忘れられない出来事があれば教えてください。

不思議な出来事がありました。虹の怪獣ニジカガチが出てくる第8話で、横峯教授(演:佐藤貢三)とテルアキが対峙するシーン、セッティングを待っている時、ふと空を見たら晴れているのに「虹」がかかっていたことです。エミ隊員(演:搗宮姫奈)に「虹が出てるよ……」と思わず声かけたことを覚えています。雨が降った後に虹が出るのはわかるんですけれど、その日はずっと快晴でしたし、ほんの5分間くらいですぐ消えちゃった。あとで田口監督にこの話をしたら「作品を撮っているとときどき、そういった神がかったことが起こるんだよね」って仰っていました(笑)。あれは忘れられませんね。

――いよいよ後半戦に入る『ウルトラマンブレーザー』での、テルアキ副隊長の注目ポイントを教えてください。

今後のエピソードでは、テルアキにとって今まで体験したことのない「壁」が立ちふさがります。この壁をどうやって乗り越えようか……というときに、第1話からずっと貫いてきたSKaRDの絆がテルアキを後押ししてくれます。楽しみにしていてください!

(C)円谷プロ (C)ウルトラマンブレーザー製作委員会・テレビ東京