従来、情報番組が放送されていた時間帯にバラエティで活路を見いだしたTBS『ラヴィット!』。放送開始から2年半が経過し、個人全体視聴率で見ると横並び5位というポジションだが、土曜やGP帯の派生番組、イベントなど多面的な展開を見せており、畠山企画総括は「本当にTBSを代表する番組になりました。引き続き、いろんな形でTBSの顔として頑張ってもらいたいと思っています」と評価する。

また、渡邉真二郎編成部長は「ALL(個人全体)はまだまだこれから伸ばしていきたいという段階ですが、特にF1(女性20~34歳)・F2(同35~49歳)という女性の若い世代の視聴率が昨年比でかなり伸びております。TVerの再生数も順調ですし、『LOVE IT! ROCK』に関しても1万人の応募に対して10倍近くの応募があって営業的な価値もすごく高いと評価してますし、コアファンから熱く支えられているということで、非常に高く評価できる番組と考えております」とした。

また、かまいたち、モグライダー、見取り図、ニューヨークの4組が出演するGP帯の新バラエティ番組『ジョンソン』の高柳健人プロデューサーは、『ラヴィット!』について、「芸人さんがノビノビやっている姿を見させてもらって、反響を含めて見たときに、素晴らしいなと思っております」とキャスティングの参考にしていることを明かし、「『ジョンソン』は、いろんな芸人さんが出たいと思ってもらえる番組にしたいと思っているので、『ジョンソン』発でもファミリーができていくことが大事だと思っていますし、広がりができることを期待しながら作っていきたいと思います」と意欲を示した。

  • 『ぽかぽか』

『ラヴィット!』同じ帯の生放送バラエティで、互いの放送内で“姉妹番組”宣言もしたフジテレビ『ぽかぽか』について、中嶋優一編成部長は「1月に始まってから、本当に正直申し上げて、想定よりも順調に推移していると捉えております。このまま内容もブレずに、国民の皆さまに愛される番組を目指していってほしいと思っております」とした上で、「一部で終了するみたいな報道がありましたけれども、そのようなことは弊社の中で議論も行われてないというのが実情でございます」と強調。

立松嗣章編成制作局長も「夏休みという期間を利用してプロモーションを強化したんですけれども、おかげさまで数字も上昇傾向ということで、大変我々としては手応えを感じております」とした。同番組は8月28日週から9月4日週を比較して、週平均視聴率がコア(13~49歳)で約0.2ポイント増、個人全体で約0.1ポイント増と、夏休み期間が終わった後も数字が上昇している。

帯番組で4月に朝の改革を行った日テレ。従来の枠切りを8時から9時に変更したが、江成総合編成センター部長は「視聴率的に改編前から上昇しているというところではございませんが、『ZIP!』『DayDay.』チームがそれぞれ、どういう企画が視聴者に合ってるのかを日々試行錯誤しながら放送させていただいております」とした上で、「夏休みで若い方にご覧いただいたりして、徐々に上昇傾向にあるかなと思っております。特に『DayDay.』は『Nizi Project』のシーズン2も好評なので、そこから上昇気流に乗れれば」と期待を述べた。

■TBSがコア視聴率で健闘「流れができている」

TBSは、PUT(総個人視聴率)が低下する中で、今年4月クールのゴールデン帯・プライム帯の数字が、個人全体と同局が重視する新ファミリーコア(4~49歳)でいずれも前年比同率をキープ。新ファミリーコアはゴールデンでフジを抜いて2位となり、プライムはフジと同率2位で並んだ。

この健闘の要因について、渡邉編成部長は「例えば、火曜日は4月改編で『THE神業チャレンジ』を7時に編成しまして、前年同期比で新ファミリーコアが上がっていて、そこから8時の『バナナサンド』が非常に人気でございます。さらに、『マツコの知らない世界』、火ドラに至るまで火曜日が非常にいい新ファミリーコアの流れができています」と説明。また、「金曜の『それSnow Manにやらせて下さい』に関しましても、3回のスペシャルがいずれも新ファミリーコアを獲っています。このように少しずつ曜日ごとに新ファミリーコアの底上げができているということの集合の結果になっている」と分析した。