配信視聴の増加やストックコンテンツとして価値が見直されている連続ドラマ。近年、毎改編でその放送枠が増えているが、今回もフジテレビが金曜21時に新設し、第1弾として『うちの弁護士は手がかかる』が放送される。

昨年4月改編で水曜22時、同10月改編で火曜深夜、今年4月改編で火曜23時(カンテレ制作)と積極的にドラマ枠を増やしているフジだが、多額の制作費がかかるドラマ枠が増えると、バラエティをはじめ他ジャンルの番組予算に影響が出ることも懸念される。

この点について、これまでバラエティ畑を歩み、今年6月に編成部長に就任した中嶋氏は「ドラマもバラエティもお金をかければかけるほどいい作品ができるとは思っていなくて、バラエティも知恵を絞ればお金がなくてもいいものができることもありますし、お金をかけたほうがいいバラエティもあると思います。その総合的なバランスは私のほうでコントロールして、ドラマのファンにも楽しんでいただけるようなタイムテーブルを編成しました」と話した。

  • 『うちの弁護士は手がかかる』 (C)フジテレビ

■ジャニーズタレント起用方針でテレ東「新規は極めて慎重に判断」

今回の改編発表は、ジャニーズ事務所の性加害問題で大きな動きが出たタイミングと重なり、各局で所属タレントの起用方針や出演番組について説明が行われた。

再発防止特別チームの調査結果を受けたジャニーズ事務所の会見前に改編説明会が行われたTBSは「バラエティやドラマのジャニーズ事務所の方々の出演に関してはこれまで通り続けていくという方針です」(渡邉編成部長)、フジも「所属されているタレントさんに問題があったわけではないので、これまで通りの番組出演という判断でキャスティングしています」(立松編成制作局長)とした。

事務所の会見後、スポンサーが所属タレントとの契約を見直す動きが続出しているが、テレ朝は「現時点で確認できている範囲では影響はない」(河野太一総合編成部長)とし、ジャニーズJr.が出演する『#裸の少年』については「番組タイトルは企画内容をベースに総合的な判断をしているので、現状変更の予定はない」と説明。『週刊ニュースリーダー』も城島茂の出演は継続し、東山紀之が事務所の社長に就任してMCを降板した『サンデーLIVE!!』は当面局アナで対応するとした。

日テレもスポンサーの影響について、「現時点で編成方針の変更の予定はございませんが、今後も事務所の対応をしっかり確認していきたい」(江成総合編成センター部長)と見解。所属タレントが主演を務めてきた月曜25時台のドラマ枠「シンドラ」の新作が未発表だが、枠は継続で後日発表予定となっており、『news zero』の月曜日に出演する櫻井翔らもキャスター続投となる。

テレ東は改編説明会に先立ち、「既存番組の出演者など契約済みのタレント起用を除き、10月の新体制発足で具体的な成果を得られたと確認できるまでは、ジャニーズ事務所への新規の出演依頼は極めて慎重に判断する方針です」と、踏み込んだコメントを発表している。