“クアトロ主演”4人のうち、現在発表されているキャストは、多部未華子と松下洸平。“男女の間に友情は成立するのか?”というテーマで最初に浮かんだ組み合わせが、この2人だったという。

一緒に仕事するのは今回が初めてだという村瀬Pに、2人の魅力をそれぞれ聞くと、多部については「『デカワンコ』(日本テレビ)とか一見無理な設定の作品でも、彼女がやると、かわいい女の子が警察犬並みの嗅覚で事件を解決するというのが面白く見られるんです。『これは経費で落ちません!』(NHK)もそうでしたが、ちょっと特殊な役柄を、とてもチャーミングで愛すべきキャラクターに見せてくれる“説得力”というのは、多部未華子さんにしかないと思っています」と分析。

一方の松下については、「『最愛』(TBS)というサスペンス作品では、みんなに起こる事件ではないんだけど、大ちゃんを彼が演じると、まるで自分に起こったことのように感じられる“共感させ力”を持っていると思います」と語る。

登場人物のキャラクターは、これも『silent』と同様、ある程度土台を作った上でキャスティングを行い、そこから役者のイメージで当て書きするというスタイル。多部と松下のキャスティングを聞いた際の生方氏の反応を聞くと、「『すごくいいですね』と言って、次の打ち合わせのときには、もうゆくえと椿(松下)というキャラクターができていました。2人の名前を聞いた瞬間、彼女の頭の中でもう回転が始まったのだと思います」と推察した。

  • 多部未華子と松下洸平

    “クアトロ主演”のうち2人、多部未華子(左)と松下洸平

■タイトル、役名への強いこだわり

村瀬Pが発案した『いちばんすきな花』というタイトルは、「花って種類もいっぱいあって、同じ種類の中でもいろんな色があるので、みんな好みが違って、1つの花に対していろんな人がいろんな思いを持っていると思うんです。だから、すごく細分化される“好き”という感情のある種の象徴として、この言葉をふと思いつきました。自分でもすごく気に入っています(笑)」と語る。

タイトルと同様、登場人物たちの名前にも強くこだわっており、「僕はオリジナルドラマを作るとき、名前を付けるという作業は命を吹き込むことだと思っているので、いつも真剣です。ただ、生方さんはキャラクターを作るときに名前を付けてきてくれていて、しかもそれがどれも素敵なので、全部そのままにしています。もちろん、それぞれの名前には意味があります」と解説。

主人公の4人は、潮ゆくえ、春木椿、深雪夜々、佐藤紅葉という名前で、「ちょっとネタバレになるのでまだお伝えできないのですが、僕たちがその名前を付けている意味ももちろんあります。そして、ドラマの中で彼らの親たちがその名前を付けた意味というのが、すごく丁寧に描かれていきます」と予告した。