カメラの交換レンズなど光学機器の製造を手がけるタムロンは、JR東日本大宮支社の協力を得て、鉄道撮影マナー向上の啓発を目的とした特別イベント「鉄道博物館ナイトミュージアム撮影会&鉄道撮影マナー講座」を8月5日に開催した。

  • タムロンが「鉄道博物館ナイトミュージアム撮影会&鉄道撮影マナー講座」を開催

タムロンは2008年から開催している「タムロン鉄道風景コンテスト」を通じて、鉄道撮影時のマナー向上へ協力をお願いしているという。同社のウェブサイトに、鉄道写真家・広田尚敬氏からのメッセージとして「鉄道撮影のマナー」を掲載している。

同社によると、近年、鉄道写真撮影のマナーは多くのメディアに取り上げられるほどの社会問題となっており、鉄道写真を撮影しない人にも認知される状況になっているという。そこで今回、鉄道風景コンテストの主催者として、鉄道撮影マナーの大切さや撮影の楽しさを知ってもらうため、鉄道博物館(さいたま市)でイベントを開催することにした。

  • 参加者たちが夜間の鉄道博物館内を撮影。レンズの貸し出しも行われた

イベント当日、普段は閉館している時間帯の鉄道博物館内で撮影が可能に。タムロン製レンズの貸出しも行われた。鉄道撮影マナー講座は広田尚敬氏と金盛正樹氏を招いて行われ、時間帯により、広田氏または金盛氏の講座を聴講できた。

■「列車の運行を第一に」「自分の目で撮影地を見つけて」

マナー講座では、広田氏・金盛氏ともに、まず参加者に向けて「『鉄道撮影マナーのお手本』になってください!」と伝えた。広田氏は「列車の運行を第一に考えてください」と呼びかけ、鉄道あっての鉄道写真という考えを示した。撮影地について、他の人と同じ場所ばかり選ぶのではなく、「自分の目で撮影地を見つけてください」とのこと。その理由として、撮影場所のポジショニング等で小競り合いが起こらないようにと語った。

撮影者の中には、木を切ったり、草花を摘み取ってしまったりするケースもあると言い、「そこにあるものを大事に使って撮影してほしい」と話した。風景を取り込んで作品にすることが鉄道写真の魅力であるという考え方が伝わってきた。

  • 鉄道撮影マナー講座も開催

  • 広田尚敬氏

  • 金盛正樹氏(写真左)

金盛氏は、講座の受講者に対し、「マナーの良い団体だというイメージを作ってもらいたい」とコメントし、「運行の安全を守れないような撮影をしてはダメです」と語った。鉄道撮影地で小競り合いが起こる現状に関して、「同好の士同士でけんかするのは面白くないですよね?」とし、撮影の障害物について、「アングルなどを工夫して避けましょう」と提案した。

撮影のコツとして、安全な場所からでも迫力のある写真が撮影できるという。実際にカーブの外側から貨物列車を撮影した作例や、ローカル線での作例を示した上で、「簡単にきれいな写真が撮れます」と話す場面もあった。列車の正面だけでなく、「視点を変えてみましょう」ということで作例を提示し、「違う写真を後世に残そうという気持ちを持ちましょう」と呼びかけた。その他、空間を生かした写真の撮影方法も提案した。

  • 参加者たちは鉄道博物館に展示された過去の名車も撮影していた

マナー講座の前後に、夜間の館内を撮影する時間も設けられた。参加者たちはかつて全国各地を走った名車などを思い思いにカメラに収めていた。