新型コロナウイルス感染症の影響で、 な存在になったテレワーク。周りからの監視がないので、ついついサボってしまうという人も少なくないのでは?
2020年に行ったアンケートでは、約7割の人が「テレワークでサボったことがある」と回答しています。
どうしても気が緩んでしまい、最近では「サボるのが当然」といわれることまであるテレワークですが、サボりがバレるとかなり面倒な処分を受ける可能性もあるのです。
本記事では、テレワークのサボりがバレる理由や、サボりがバレてしまったときに受ける可能性のある処分を紹介していきます。
テレワーク中のサボりがバレる理由
テレワークで周りからの監視がないからとサボっていると、思わぬルートからサボりがバレるケースもあります。
目の前に管理者がいないにも関わらず、なぜサボりが発覚してしまうのでしょうか。 ここでは、テレワーク中にサボり行為がバレてしまう理由について紹介します。
端末管理ソフトウェアによる監視
会社から支給された端末に管理ソフトウェアが入っていると、個人の利用状況を管理者が閲覧できます。管理者は、個人個人のアプリケーションの起動時間、パソコンの起動時間などの情報を把握することができるのです。
たとえばパソコンであれば一定間隔をおいて、デスクトップ画面をスクリーンショットでキャプチャーするソフトが入っている場合もあります。またはカメラによる顔認証記録で業務を適切に実施しているか、席を離れていないかを判別できることも。
会社は、管理ソフトウェアを使用すればテレワークをしている従業員のことも監視しようと思えばできてしまうので、それが原因でサボりがバレる可能性があります。
ウェブサイトの閲覧ログ
業務と無関係なウェブサイトを閲覧すると、ログでバレてしまうケースもあります。特に会社貸与の端末であれば、アクセスしたウェブサイトから利用時間や具体的なページ名まで特定できる場合が多く、管理者がログをチェックした際に仕事をしているかどうかは一目瞭然ということです。
テレワーク中は端末からの情報漏洩や、不正アクセスの恐れがあるため、セキュリティソフトやVPNを使用することが多いですよね。テレワークに特化したセキュリティソフトやVPNでは、ウェブサイトへのアクセスを監視しているケースがあるので、端末管理ソフトウェアをインストールしてなくてもサボりがバレる可能性はあります。
社内システムのログデータ
社内のシステムを活用する職種であれば、操作時間や終了時間などのログが記録されます。管理者がチェックした際に、操作していない時間が長い、全くシステムが起動されていないなどのデータがあると、サボりを疑われてしまいます。
また、会社で仕事をしているときと、在宅勤務時で仕事の量が著しく異なるとサボりを疑われてしまうでしょう。
業務の進行状況
業務の進捗が極端に悪いと、会社側からサボっているのではないかと疑われます。会社側では、個人の仕事能力も踏まえたうえで仕事を割り振っているので、想定よりも進捗が悪すぎると不審に思われてしまうのは当然です。
メール・ビジネスチャットの送受信ログ
会社貸与のパソコンであれば、メール、チャットのログも記録されていることが多いです。メールの返信が極端に遅かったり、業務に直接関係のないチャットログがあったりすると、「サボっているのでは?」と疑われます。
PCカメラへの映り込み
ビデオ会議中に業務と無関係のものが映り込んだときには、怪しまれてしまうでしょう。 漫画やゲームなどで遊んだ後にデスクに置いたままビデオ会議に参加して、ビデオに漫画やゲームが映ってしまうと、相手は「この人さっきまで遊んでいたんだな」と感じるのは当然ですよね。
また、画面共有の際も、業務と関係ないウェブページをそのまま映してしまうと、サボりを疑われます。
電話、コミュニケーションでの違和感
上司からの電話の対応で、サボりがバレる恐れもあります。
テレワーク中であるはずにも関わらず電話応対が遅れ、慌てた声で話せば上司もなんとなくサボっていたことに勘付きます。また、電話をかけたら勤務時間でありながら車のエンジン音や、人の話し声、テレビや動画の音声が聞こえて、サボっていることが発覚したなんてこともあり得ます。
端末の位置情報
GPS機能がある勤怠管理システムをインストールしていると、端末管理ソフトウェアから自身のいる位置がバレてしまうでしょう。たとえば自宅を出た際に、貸与されたタブレットやスマートフォンを持ち歩いているとログが残ります。
GPS機能を利用して位置情報を照会すれば、管理者はいつでも使用者の場所を特定できます。
テレワーク中のサボりがバレた場合のリスクとは
会社にテレワークのサボりがバレてしまうと、どのようなリスクが考えられるでしょうか。サボりがバレたときに、会社から下される処分を紹介します。
人事評価が下がる
仕事をサボると人事評価を下げられてしまいます。評価と合わせて、上司・同僚からの信頼も失ってしまうでしょう。
人事評価が下がると、昇進に影響があるのみならず、担当する業務内容を変えられてしまうことも。サボりの頻度や度合いの次第では、懲戒処分になってしまう可能性もゼロではありません。
出社を義務づけられる
サボりがバレるとテレワークが中止され、出社を義務づけられる可能性があります。 これは、自己管理ができない社員だとみなされ、信用をなくしてしまうためです。
給与が減額される
何度も注意・指導を受けたうえで、改善されない場合は給与を減額される可能性もあるでしょう。
ノーワークノーペイの原則といい、従業員が業務をしていない間は会社は給与を払わなくても問題ないとされているので、サボりがバレて減額されても文句はいえません。
テレワークのサボりがバレるとクビになる?
テレワークのサボりがバレたからといって、すぐにクビにはなりません。解雇が認められるには厳格な法律の要件を満たす必要があります。
労働契約法
第16条 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
例としてサボりでクビになるか否かが争われた判例を紹介します。 修学旅行を引率していた教頭が、学校の指示を無視してゴルフをプレーしていた事例です。
サボりが発覚したため懲戒解雇を受け、処分の有効性が争点とされました。 裁判所はサボりが一度だけである点と、大きな損害が発生していない点を理由として処分は無効であると判断しました。
このように、テレワークのサボりが一度バレてクビになるということは、あまりありません。ただし注意・指導後にも改善の兆しがなく、サボりが複数回に及んでいた場合や、業務中の飲酒や怠慢で会社に重大な損害を与えたときは、サボりが正当な解雇の理由になり得ます。
テレワークをサボったことがバレた場合の対処法
サボりがバレてしまったときには、非を認め謝罪し勤務態度の改善に取り組みましょう。映像やログで証拠が残っているのに下手に言い逃れを試みると、上司からの心象を悪くしてしまいます。
まずは謝罪し、自身がサボってしまった理由や改善策を考え、信頼の回復に努めましょう。
在宅勤務で仕事をサボらないための対策
在宅勤務で気が抜けてしまうことは誰にでもあります。だからといって、サボって良いわけではありません。
ここでは、在宅勤務で仕事をサボらないための対策を紹介します。
業務計画、スケジュールの管理
まずは1日の計画を立てるのを習慣づけましょう。今日こなすタスクが明確になり、モチベーションを向上させることにつながります。
その日の分の仕事を紙へ書き出し、何時までに終わらせるか、具体的に目標を決めることがコツです。だらだらと業務に取り組むと集中力が下がってしまうので、適度に休憩を取り入れると、テレワークの効率が上がります。 休憩時間を目指して頑張れますし、休憩をはさみリフレッシュすることで集中力と作業の質の向上が期待できます。
誘惑のない集中できる空間で仕事をする
気が散らない集中できる空間を、自宅のテレワーク場所として選びましょう。勤務時間中、漫画やゲームが目につく場所では集中力が削がれてしまいます。仕事に関係のない漫画やゲーム機は片づける、視界に入らないよう布をかけておくなど、ちょっとの工夫でテレワークの効率が良くなります。
オン・オフの切り替え
テレワークでサボらないためには、オン・オフのしっかりした切り替えが求められます。 仕事のメリハリをつける手段の一つとして「ポモドーロテクニック」もおすすめです。仕事を25分集中したら5分の休憩、というように、計30分を一つのセットとする時間の管理方法です。
上記の30分のセットを4度繰り返した後は、15分から30分ほどの長い休憩を取ります。 ポモドーロはイタリア語でトマトを意味し、発案者の使用していたタイマーがトマトの形だったことに由来します。
終業時に記録・振り返りを行う
テレワーク終了時に仕事の内容を記録し振り返れば、達成感を得られやすいです。進行状況を掴み、達成度合いや進捗の反省に使えます。
業務の成果だけでなくテレワークへの取り組み姿勢を振り返り、次回へ活かすことが重要です。
テレワークではサボらないような工夫を
周囲の目線や出社時間を気にせずにすむテレワークは、気が緩みがちです。「少しならば大丈夫」「バレなければ大丈夫」とついついサボってしまいそうになりますよね。
しかし監視ツールや通信記録を使い、会社はしっかりと従業員を管理しています。 テレワークでのサボりがバレると信頼を失ってしまい、テレワークもできなくなってしまうかもしれません。
メリハリのあるテレワークを実施しましょう。