先輩俳優陣から学んだことも多かったようで、父・家康役の松本潤からは座長としての姿にとても刺激を受けたという。

「松本さんは最前線で作品のことを考えていらっしゃる方だなと思いました。作品の宣伝の仕方までプロデューサーさんと打ち合わせをする役者さんは見たことなかったので。作品の中でも主演という立場で全体の士気を高めて引っ張ってくださりつつ、お芝居外のところでも戦ってくださる方だったので、驚きましたし、かっこよかったです」

母・瀬名役の有村架純からは「役の考え方やお芝居の感性が似ているかもしれない」と言ってもらったようで、「すごくうれしかったですし、だからこそもっともっと有村さんにお聞きしたいことがあります」と語る。

有村と似ているという考え方や感性とは? 「信康のことを人ごとにできないんです。僕はゲームや一人カラオケが趣味なのですが、それをやっているときもどうしても信康が頭にちらついてリフレッシュしきれないときがあって、その話をしたときに、有村さんも何をしていても心の片隅に役がいるとおっしゃっていました」

そして細田は「僕自身が信康のようにお二人から別々のものを学ばせていただいた」と感謝。「信康は父親から武士や城主としてのあり方を教わり、母親からは人としてどう成長するか教わったと思いますが、僕は松本さんから座長の形を教わり、有村さんからは考え方やお芝居の向き合い方を教わりました。それはすごく印象深いですし、お二人に感謝しかないです」と語った。

第23回の終盤で、瀬名からずっと胸に秘めていた大きな夢を打ち明けられたときの信康の心情も振り返った。

「『まさか』だったと思います。母上が裏で千代さん(古川琴音)たちを招いてそういったことをやっているとは知らなかったでしょうし、謀をするような方ではないと思っていたと思います。ただ、瀬名さんの人としての賢さが信康に受け継がれていたので、母上の話を聞くことができたし、聞いた上で賛同したと思うので、驚きの中に否定はなかったと思います。自分がこれ以上人を殺めたくない、殺めないためにどうすればいいか、という思いもあったので」

今後、瀬名と信康の謀はどうなっていくのか。細田は「瀬名さんと信康の不穏な空気が徐々に出てきて、ここからより明確になっていくので、そこは見逃してほしくないですし、見てくださっている方にも史実にとらわれてほしくないという思いがあります。史実では感情までは書かれていなくて、そこは僕らが想像して作り上げたものなので、否定ではなく、『そういうこともあったかもね』というテンションで見ていただけたらうれしいです」と視聴者にメッセージを送った。

■細田佳央太
2001年12月12日生まれ、東京都出身。4歳から活動を始める。2019年に1,000人超えの応募者の中から抜てきされ、映画『町田くんの世界』にて映画初主演。2021年、TBS系日曜劇場『ドラゴン桜』や日本テレビ系『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』などで注目を集め、2022年、テレビ朝日系『もしも、イケメンだけの高校があったら』で連続ドラマ初主演を務める。2023年は、NHK大河ドラマ『どうする家康』、WOWOW『ドロップ』、映画『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』などに出演。8月には初の有観客での舞台『メルセデス・アイス』にて主人公を演じることが決まっている。

(C)NHK