――渡辺勝也監督、竹田道弘アクション監督も『ハリケンジャー』テレビシリーズでずっとご一緒されていたメインスタッフですね。

お2人も20年前からぜんぜん変わらない感じで、いつお会いしても私のことを18歳当時の長澤奈央として接してくださいます。自分としては、子どものような感覚に戻ることができるんです。今回、京都で撮影する時代劇で、各キャストの容姿も変わっているし、果たして『ハリケンジャー』っぽくなるだろうか?と少し心配していたんですけど、渡辺監督が撮るとすべてが『ハリケンジャー』になるんだなって、完成映像を観てわかりました。監督ご自身が「(キャストのみんながいる限り)なんでもハリケンジャーになるんです」と言ってくださっていたので、私たちも安心してお任せすることができました。

――アクションシーンでは、なみは川の水面を素早く駆ける「水面走り」を披露しているそうですね。どのように撮影されたのでしょう。

上からワイヤーで吊ってもらい、素早く水の上を走っているように見せています。あのシーンは朝7時くらいから準備を始めて……頑張りましたよ!(笑)。竹田さんとは『スーパー戦闘 純烈ジャー 追い焚き☆御免』(2022年)から引き続いてのお仕事になりました。

私たちのアクションシーンって、台本のどこにも書いていない部分で、キャストの誰もいまどこの何を撮っているのかわからないくらい、台本からイメージをふくらませてくれていたんです。竹田さんは私たちキャストがどれくらい動けるかを理解してくださっているので、それぞれに合ったアクションをうまく組み込んでくださいました。テレビシリーズのとき吹き替えの方にやっていただいた「水面走り」が、今回は自分自身でできたのは、とてもありがたいと思いました。キャストに対する竹田さんの強い「愛」を実感しました。

――試写をご覧になった感想を教えてください。

これまでと違う、新しい感覚の『ハリケンジャー』ができたことに感動しました。やっぱり時代劇にしたことによって、印象がまるで違ってきましたね。現代の七海をはじめ、おなじみのレギュラーが出てきますけど、江戸時代をメインに描いているので、画面がすごく新鮮なんです。『10YEARS』のときは、ハリケンジャーが復活したぞ!というお祭り的な面が強かったのですが、今回はより「新しい作品」として楽しんでもらえるんじゃないかと思います。

――新作を、どのような方たちに観てほしいと思われますか。

これまでの『ハリケンジャー』を知っているファンのみなさんはすごく楽しめると確信していますし、ぜんぜん『ハリケンジャー』に触れてこなかった方たちも、今のスーパー戦隊とは違った新しいヒーローとして、好きになってもらえると嬉しいですね。こうやって『ハリケンジャー』が20周年記念作品として復活できるのも、現在スーパー戦隊がずっと続いているからです。長くスーパー戦隊シリーズを愛してくださっているファンの方々がいらっしゃるからこそ、「昔」の作品にもスポットがあたるときが来る。これはとても幸せなことなんですね。

――現在、お子さんと一緒に「スーパー戦隊シリーズ」をテレビでご覧になったりしていますか?

今、長男が8歳、長女が6歳、次男が2歳なんですけど、みんな『王様戦隊キングオージャー』(2023年)や『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年)を楽しく観ています。長男はちょっと年齢的に戦隊から離れかけていたんですが、もともと昆虫が大好きだったので、キングオージャーからまた観てくれるようになりました(笑)。TTFCのオリジナル作品『忍風戦隊ハリケンジャーwithドンブラザーズ』(2022年)では、私たち(鷹介、七海、吼太)がオニシスターのはるか(演:志田こはく)と共演しましたが、これを観た長女が「ドンブラザーズとお話をしたママ、すごい!」と、感心してもらえました(笑)。子どもを連れて東京ドームシティ・シアターGロッソもよく行きますし、とっても楽しいです。

――20周年記念作品が実現したいま、改めて『ハリケンジャー』という作品の持つパワーの強さを感じます。

ぜひたくさんの方たちに『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』を楽しんでもらって、私たち『ハリケンジャー』の凄いパワーを感じてもらいたいです。そして、またいつか新しい『ハリケンジャー』を作ることができたら……と夢見ています。今度はいつやりましょう? 忍者だからやっぱり「22(ニンニン)周年」の来年、2024年とかがいいと思います(笑)。

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