スーパー戦隊シリーズ第26作『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)の「20周年」を記念したVシネクスト『忍風戦隊ハリケンジャーでござる! シュシュッと20th anniversary』が、2023年6月16日(金)より全国劇場にて期間限定上映される。

  • 山本康平(やまもと・こうへい) 1980年生まれ、岡山県出身。太田プロ所属。『忍風戦隊ハリケンジャー』(2002年)のハリケンイエロー/尾藤吼太役で俳優デビュー後、親しみやすいキャラクターを活かしてテレビドラマ、バラエティ番組、舞台、映画など幅広いジャンルで活動。ハリケンジャーの10年後の姿を描く『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』(2013年)では長澤奈央と共にアソシエイト・プロデューサーを兼任。ムード歌謡グループ「純烈」主演の映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』シリーズ(2021~2022年)にも企画段階から携わっている。 撮影:大塚素久(SYASYA)

時代劇の本場・東映京都撮影所で作られた本作は、20年前の『忍風戦隊ハリケンジャー』オリジナルキャストが奇跡の再結集を果たしたほか、ハリケンジャーたちの「先祖」である疾風流忍者と迅雷流忍者が江戸の街を脅かす邪悪な敵に立ち向かう、痛快時代劇アクションが大きな魅力となっている。

ここでは、かつて『ハリケンジャー』10周年記念作品『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』に企画段階から深く関わり、スーパー戦隊に「10YEARS」という新たな人気路線を築き上げた功労者のひとりであるハリケンイエロー/尾藤吼太・吼太郎役・山本康平に、「20周年記念作品」実現までの道のりや、娯楽時代劇のエッセンスを濃縮した本作の楽しみどころ、そして久々に結集したかけがえのない仲間たちとの共演裏話を聞いた。

――かつて山本さんと、ハリケンブルー/野乃七海役・長澤奈央さんが構想・企画され実現にまで持っていかれた『忍風戦隊ハリケンジャー10YEARS AFTER』は、スーパー戦隊シリーズ「10周年記念」作品という新しい流れを生みました。そしてまた今回、初の試みとなる「20周年」企画を立ち上げられた経緯を教えてください。

4年前(2019年)、『仮面ライダージオウ』のスピンオフ企画としてTTFC(東映特撮ファンクラブ)で『仮面ライダーシノビ』が作られました。あれって2022年という「2」がたくさんつく年に活躍する未来のヒーローという設定だったじゃないですか。しかもノブ(姜暢雄:クワガライジャー/霞一鍬役)が出ている(声の出演)と聞いて、「もしかして、ハリケンの20周年=2022年にまた新作をやるための“フリ”なのかな?」と捉えてしまったのが最初ですね(笑)。このことを奈央に話したら「それは絶対にフリだと思う!」と背中を押され、企画書を作って東映ビデオさんに持っていったのが、今回の始まりでした。

――10周年のときも、山本さんと長澤さんの熱意が各方面の心を動かしたと聞いています。本当にすごいですね。

最初の企画は「忍者戦隊大集合」で、ハリケンジャーとゴウライジャーに加えて『忍者戦隊カクレンジャー』(1994年)や『手裏剣戦隊ニンニンジャー』(2015年)も集まって……みたいなストーリーを構想したのですが、そうなると各俳優のスケジュール調整とかがとんでもないことになり、難しいと言われました。そこからいろいろと企画が移り変わり、ハリケンジャー20周年記念作品として結実しました。

――『10YEARS』からさらに10年が経った今、ハリケンジャーとゴウライジャーの変身前の役者陣が揃うだけでも激レアではないかと思います。

特に白川裕二郎(カブトライジャー/霞一甲役)は、「純烈」メンバーとして超多忙な日々を送っていますからね。この3年間は、裕二郎のスケジュールを確保するために動いていたところもあります。純烈リーダーの酒井一圭くんとは常に連携を取り合い、まず彼が「やりたい」と言っていた映画……『スーパー戦闘 純烈ジャー』の企画を進めて、その後に「ハリケンジャー20周年のために裕二郎のスケジュールを確保したい」と相談しました。すべては2022年に撮影が出来るよう、周到な準備をしていたんです。

裕二郎も含めて、「こんど20周年をやるよ」と声をかけたら、ちゃんと集まってくれるのがハリケンジャーらしいところかなと思ってます。でもみんな自由に集まってくるので、その自由さをまとめるのは大変だったかな(笑)。奈央がとにかく凄い熱量で「20周年やりたい!」と言ってきて、その熱を受けて僕が動いている感じ。そして塩谷瞬(ハリケンレッド/椎名鷹介役)の猪突猛進パワーも大事です! 瞬、奈央、裕二郎、ノブ、みんな昔とちっとも変わってなくて、僕もずっと吼太のままですから、集まったら自然にあのころと同じ空気になり『ハリケンジャー』が成立するんです。

――西田健さん演じる日向無限斎、高田聖子さん演じる日向おぼろも、当時のままで再登場されているのも嬉しいですね。特に無限斎は「ハムスター館長」ではなく、西田さんのままで重厚な演技をされていて、痛快でした。

お2人の出演も、ありがたかったですよね。特に高田さんは舞台出演中でお忙しい時に、京都まで来てくださいました。僕たちはスケジュールが合わず、高田さんとご一緒することがなかったのですが、僕だけ始発の新幹線に乗って京都に入り、ご挨拶だけさせていただいたんです。嬉しかったのは、シュリケンジャーの声を演じられていた松野太紀さんに出てもらえたこと。『10YEARS』のときはお会いできなかったので、テレビ放送以来、20年ぶりに再会できてうれしかったです。