近年、映像作品のみならず舞台でも活躍している女優・川島海荷。6月1日~11日には主演舞台『君しか見えないよ』が東京・浅草九劇で上演される。本作は、演劇作品を上演し、その物語が後にテレビドラマとしても放送される「演劇で、テレビドラマで、」シリーズの第1弾。ドラマは7月9日(21:00~23:00)にBS松竹東急(BS260ch/全国無料放送)にて放送される。新たなプロジェクトに挑む川島に、同舞台の魅力を聞いた。

  • 川島海荷 撮影:加藤千雅

本作は、喜怒哀楽がたっぷり詰まった笑いと愛が溢れる家族の物語。脚本は、『バナナの花は食べられる』で第66回岸田國士戯曲賞を受賞した劇作家・演出家の山本卓卓氏、演出は、劇団かもめんたるの主宰として数々の舞台を手掛けている岩崎う大(かもめんたる)が務める。

川島が演じるのは、熊野家の長女・熊村亜寿。そして、亜寿の父・丸慈役を岩谷健司、母・美都役を郡山冬果、美都の父で亜寿の祖父・憲役をベンガル、ピン芸人・タランチュラ米櫃役を浜名一聖、テレビディレクター役を岩崎う大が演じる。

物語は8年前と今を行き来しながら進んでいくが、川島は「時間って儚いな」と稽古をしている中で感じたという。

「8年前の出来事を演じているのですが、その瞬間は戻ってこない。今と過去のギャップを感じ、時間が過ぎていくのは儚いなという気持ちになりました」

そして、時間の儚さを感じたことで「日々を大切にしよう」と改めて感じるとともに、「家族に会いたくなりました」と話す。

「見た方も家族に会いたくなると思います。家族のお話ですし、家族関係も描かれ、過去では言えなかった家族に対する思いなどがどんどん演劇の中で吐露されていくところがあります」

亜寿はなかなか思っていることを言えないキャラクター。「1人で抱え込んで、しっかり物事を考えて、家族に対しても、言っていいのかブレーキをかけながら生きている」と捉えている。

川島自身は、亜寿とは異なり「思ったときに言っている」とのことで、川島だけでなく家族みんな思ったことを言えるタイプだという。

「作品の中でぶつかり合うシーンがあるのですが、私の家ではしょっちゅうそういうことが起こります。みんな思ったことを言う家族なので、日常茶飯事だなと。もう一緒に住んでいないので最近はあまりないですが、一緒に住んでいたときはしょっちゅう喧嘩していて、それすらも懐かしいと思いました」

そして、本作で描かれる家族の喧嘩シーンに共感。

「脚本がリアルで、私もこういう言い合いスタイルというか、売り言葉に買い言葉ってやっちゃうなと思います。ここまでは言いたくなかったけど、挑発されているわけではないのに相手が何もさせてくれないからどんどん言ってしまう。傷つくことを言いたくないのに言ってしまうというのは、家族のリアルな会話だと思うので、自分に当てはめながら演じられるのかなと思っています」

家族以外の人にもはっきり言えるタイプなのか尋ねると、「どちらかというと……どちらかというとでもなく、言うタイプです(笑)。感情が全部100伝わるタイプなので」と回答。「今回の役は自分とは違うタイプの人なので、自分に当てはめながらも彼女の気持ちもちゃんとつかめるようになりたいです」と話した。