嵐の松本潤が主演を務める大河ドラマ『どうする家康』(NHK総合 毎週日曜20:00~ほか)。28日に放送された第20回「岡崎クーデター」に登場した大岡弥四郎役の毎熊克哉がコメントを寄せた。

  • 大岡弥四郎役の毎熊克哉

大河ドラマ初出演の毎熊が演じる大岡弥四郎は、信康(細田佳央太)に仕え岡崎を守る優秀な家臣。瀬名(有村架純)や譜代の家臣たちも信頼を寄せる切れ者で、家康(松本潤)は信康に岡崎城城主を任せる時に、その守り役を申し付ける。穏やかで人当たりの良い顔とは異なる、秘めた野心を持っている。

毎熊のコメントは以下の通り。

――出演発表時、人物像について「弥四郎の行動は見る角度によって正義にも悪にもなり得ます。この作品の重要な軸になる部分を担わせて頂くので、しっかりと演じていきたいです」というコメントもされていました。改めて、大岡弥四郎をどのような人物と捉え、どのような思いで演じられましたか。

本作のオファーを頂いた2022年はウクライナ侵攻が始まり、流れてくる情報に胸を痛め、人間は戦うことをやめられないのだなと悲しくなりました。全てのいざこざには歴史の流れや事情があって、双方どちらが正義なのか分かりづらい。でも、戦の最前線に行かされる兵士たちにとって正義はどうでもよくて、飯を食いたい、死にたくない殺したくない、家族や友人を失いたくない、というのが本心だと思います。脚本を読ませていただき、弥四郎の台詞には作品を超えた願いを感じたので、それを大事に演じました。

――徳川を裏切ることを決断した弥四郎の思い、覚悟、野心、そして弥四郎なりの正義を、どのように解釈されましたか。

冒頭のシーンで「命に代えて岡崎を守りまする」という台詞があるのですが、これが弥四郎の覚悟だと思います。過酷な戦も、謀反を企てることも、命がけですからね。裏切り者の役ですが、台詞にほとんど嘘がないのが面白かったです。全ては岡崎を救うため。

――クーデターに失敗した弥四郎が捕らえられ、信康らの前で思いをぶつけるシーンは、どのような思いで演じられましたか。

演出の野口雄大さんと共有していたのは、弥四郎の行動を“私利私欲に走った裏切り“にしない、ということでした。弥四郎の言葉に心を動かされる人がいるかもしれない。作品は家康側の視点で描かれていくからこそ、正義とはなんぞや? と考えられるシーンになれば良いなと思って臨みました。

――「どうする家康」に参加されて、そして大岡弥四郎を演じきられて、いかがでしたか。

初めての大河ドラマはとてもドキドキしましたが、始まってみるとあっという間でした。欲を言えば、家康メンバーの皆様(家臣団)と楽しいやりとりがあるシーンをやってみたかったなと思いつつ(笑)、僕が演じさせて いただいた大岡弥四郎が、少しでも作品の面白さに貢献できていれば幸いです。

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