女優の江口のりこが、フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』のナレーション収録に臨んだ。担当したのは、28日(通常と異なり13:40~ ※関東ローカル)に放送される『人生ってムズい ~レモンサワーと車いす~』。原因不明の難病に運命を狂わされた落水洋介さん(39)の奮闘を追った作品だ。

日々の憂さを酒で晴らす毎日を送る“飲んだくれ”だが、屈託ない笑顔が魅力的で、多くの仲間たちに支えられている落水さん。そんな彼に、江口は「ちょっと自分を見ているようなところがありました」と、強い共感を語る――。

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した江口のりこ

『ザ・ノンフィクション』のナレーションを担当した江口のりこ

■介護してくれる年老いた両親に冷たく当たってしまう

落水さんが7年前に診断されたのは、PLS(原発性側索硬化症)。体が徐々に動かなくなり、いずれ寝たきりとなってしまうという症状で、100万人に1人しか発症しないという原因不明の難病だ。徐々に歩くのも困難となり、今では脚を動かすことさえできなくなった。

自分の代わりに働き、幼い2人の娘を育てる妻に、これ以上の負担をかけまいと実家に戻ったが、介護するのは70代の年老いた両親。息子を抱きかかえての世話はかなりの重労働であるにもかかわらず、落水さんはそんな両親に不機嫌な態度で冷たく当たってしまう。申し訳ない気持ち、悔しさ、情けなさがいら立ちとなってあふれてしまうのだといい、そんな自分に嫌気が差し、医者に止められている酒を飲んでしまうのだ。

■「自分のダメなところをきっちり分析して言葉にする」

ナレーション収録前に映像を見た江口は、そんな落水さんの姿に「最初は『ほんと、しっかりしろよ』という感じがありました」と打ち明けるが、「改めてじっと通して見てみると、『きっとこの人には、良いところがものすごくいっぱいあるんだろうな』と思ったんです」と印象が変化したそう。

その魅力として挙げるのは、「笑顔がすごくチャーミング」ということに加え、「まあ素直ですよね。自分が怒られたときに、自分のどこがいけなかったのかとか、自分のダメなところをきっちり分析して言葉にしてるんです」という点。

これに、「『分かってるなら、最初からそうしろよ』ってきっと自分でも思ってるんでしょうけど、それがすごく私と似てるなと思ったんです。私もわりと、やってしまったことをすぐ自分で反省して、“自分のここがダメなんだよな…”とか、つらつら言っちゃうんですけど、結局同じことを繰り返すんですよ。親に対して反発する感じとかも、ちょっと自分を見ているようなところがありました。いい大人なのに、子ども扱いされるとそうなっちゃうんですよね。何でしょうね、あれ。不思議ですよね」と、強く共感したようだ。

  • ベッドに横たわる落水さんと母親 (C)フジテレビ

一方で、お酒はほとんど飲めない江口だけに、「お酒を飲むことで、“何かから気持ちが逃れたりできるものなのかな”、“どういうものなんだろうな”と興味がありました。でも、私は体質的に飲めないんで」と、この点に関しては未知の世界だった。

そんな落水さんに何か言葉をかけるとしたら…と聞くと、「飲み過ぎ注意ですよ!」と即答。「あとは何も言えないです。講演をされたり、イベントを立ち上げたりとすごいなと思うので、私が言えるのはそれだけです」と、その行動力に感心した。