心と体サプライズは、梅雨入り前に、学生を除く20歳以上60歳未満の男女全国999人を対象に「梅雨どきの不調(梅雨だる)」についてインターネット調査した。調査期間は2023年4月14日。調査機関は、Freeasy。

  • 梅雨どきの体調不調(梅雨だる)の解消法とは?

沖縄・奄美が平年より1週間ほど遅く梅雨入りした。気象庁の発表によると、九州から東北にかけても平年より遅い梅雨入りとなるそうだ。梅雨になると何となく調子が悪くなるので困るという人も少なくない。

そこで今回、整体業などを通じて人々の健康に貢献している同社は調査を実施。また、その結果に基づいた梅雨どきの体調不調解消法を紹介している。

「梅雨どきに不調を感じることはあるか?」聞いたところ、最多は「やや感じる」(31.1%)、以下「どちらとも言えない」(22.3%)、「まったく感じない」(16.6%)、「あまり感じない」(16.2%)、「とても感じる」(13.7%)となり、半数近く(44.8%)が何かしらの不調を感じていることがわかった。

続いて、「とても感じる」「やや感じる」と回答した人に「どのような不調を感じるか?」聞いた。約7割(67.9%)が「だるさ・疲労感」と回答し最多となり、「気分が落ち込む・憂うつ」(54.9%)、「頭痛・片頭痛」(40.6%)、「イライラ」(29.0%)、「首こり・肩こり」(19.4%)と続いた。

今度は、「不調を感じる」「どちらでもない」「不調は感じない」と回答した人それぞれに「自身にあてはまることはあるか?」を聞いたところ、「不調を感じる」人は6割超(61.2%)が「スマホをよく利用する」と回答し最多に。

「どちらでもない」人も「スマホをよく利用する」(35.4%)が最多だが、不調を感じる人よりも25.8ポイントも低い結果となり、「不調を感じない」人の最多は「あてはまるものはない」(43.0%)だった。

また、不調を感じる人の4割以上が「猫背」「長時間のデスクワーク」「体が凝りやすい」、3割弱が「体・関節が硬い」に該当しており、全体的に姿勢が悪い、凝りやすい、体が硬いなどの傾向があることがわかった。

「体が凝りやすい」人に「凝りやすい部位」を聞いたところ、9割弱(86.0%)が「肩」、7割超(74.9%)が「首」、4割超が「腰」(44.1%)、「背中」(43.4%)となった。

「体・関節が硬い」人にも「苦手・できないことはあるか?」を聞いたところ、半数以上(53.1%)が「ストレッチ」で最多。以下「前屈」(41.7%)、「座位開脚時に脚を大きく開く」(39.6%)、「背中で手を組む」(31.3%)となった。

今回の調査結果を受け、カラダのプロ・整体師である上田祐輝氏(心と体サプライズ 代表取締役)は、「梅雨だる解消法」を紹介している。

今回の調査結果を見ると、梅雨どきに不調を感じる症状のある方は多く、不調を感じている方ほど姿勢が悪い、凝りやすい、関節が硬いという傾向も見られました。
なぜ、このような傾向があると梅雨どきに不調になりやすいのでしょうか。実は、姿勢とメンタルの関係については様々なエビデンスが出てきていますが、一般的に「姿勢が悪いほどメンタルへの悪影響もある」ことが示唆されています。
解剖学や生理学、運動学の視点で考察しても、姿勢が悪い、いわゆる猫背の状態では、頭が前の方に出ることで肩や首に負担が掛かってしまいます。頭の重さは6kg前後あるので、姿勢が悪くなり頭が前に出ると、首にはその何倍もの負担が掛かります。下を向き続けていたら、首には20㎏以上の負担が掛かってしまいます。その結果、首の筋肉が頭部を支えきれなくなって、緊張した状態が続くと、肩こりや首こりに繋がります。更に、首周りの筋肉が硬くなると、首を通っている自律神経にも悪影響を及ぼし、血流も悪くなることで緊張型の頭痛にも繋がります。このように、姿勢不良と調査結果の症状は見事に一致しています。
従って、気圧の下がりやすい梅雨どきは、自律神経も不調をきたしやすくなるため、元々姿勢が悪い方は不調を感じやすいと言えます。
そこで、梅雨の辛い時季も乗り切れるような、姿勢を良くして自律神経も整うセルフケアと簡単な運動をご紹介します。是非やってみてください。
  • 心と体サプライズ 代表取締役 上田祐輝氏

・凝りを解消するセルフケア
(1)脇の後ろを押します。少し痛みを感じるようなら硬くなっているので、弱い力で押しましょう。(画像1・2参照)
(2)(1)の状態で腕をゆっくり10回回し、更に反対回しで10回回しましょう。
(3)反対の腕も同様に行いましょう。猫背の姿勢になると脇の隙間が大きくなるのを確認できると思います。
猫背になると脇が開いた状態になりがちです。反対に、脇を締めると自然に胸が張れて姿勢が良くなります。この運動で脇を締める筋肉を意識しながら肩回りの凝りなどを解消します。
・姿勢を良くするセルフケア
腸腰筋(ちょうようきん)というインナーマッスルを動きやすくし、姿勢の土台である骨盤を正しい角度にすることで、自然と骨格もまっすぐになり、姿勢が良くなります。
 
(1)椅子に座りましょう。(床にあぐらでも可。)
(2)鼠径部(そけいぶ/ビキニライン)を手刀で押します。(画像3参照)
(3)(2)の状態で、猫背になったり姿勢を正したりして、骨盤を前後に傾けましょう。(画像4・5参照)
・背筋のトレーニング
パソコンやスマホをよく利用する現代人は猫背になりがちで、姿勢を正す脊柱起立筋という筋肉の筋力も低下しやすいと言えます。良い姿勢を作れるようになったら、軽い筋トレをして、普段休みがちな筋肉を呼び起こしましょう。
 
(1)うつ伏せになります。
(2)頭から胸までを床から浮かして背筋をします。20回を2セット行いましょう。負荷が軽く簡単にできる方は、腕をあまたより前に出して行いましょう。反対に、負荷が大きく背筋が上手くできない方は、手を腰の位置まで下ろした状態で行いましょう。腕にも重さがあるため、腕の位置で負荷を調整することができます。(画像6参照)
・自律神経を整える呼吸法
梅雨どきは外も暗くなることが多いため、太陽光を浴びると分泌される脳内物質のセロトニンが普段より減少しがちです。セロトニンは、人間に幸せな気分を与え自律神経を整えてくれるため、減少すると心身ともに何となくスッキリしませんが、太陽光を浴びる以外に呼吸法でも自力で増やすことができます。マインドフルネス(※1)のように呼吸を意識する時間を作ると良いでしょう。
※1 マインドフルネスとは、目の前のこと、今起きていることに前意識を集中すること。
 
(1)椅子に座って姿勢を正します。(床にあぐらでも可。)
(2)(1)の状態で息をゆっくり吐きます。もうこれ以上吐けないと思ったら、そこから更に3秒吐きます。すると、お腹に力が入って凹むはずです。(画像7参照)
(3)無理に息を吸おうとはせず、力が入っているお腹を脱力して緩めると、自然と息が吸えるはずです。これがセロトニンを増やす腹式呼吸です。(画像8参照)
(4)再び息を吐き続け、(2)(3)を5分間続けます。雑念を持たずに呼吸だけを意識すると、セロトニンが増え心身を元気にしてくれます。正しい姿勢を保ちながら行いましょう。
梅雨どきは健康な方でも不調を感じやすいものです。セルフケアをしっかりと行い、元気に余裕を持たせておくことで、どんな時季も快適に生活できます。生活にこれらの運動を取り入れて、辛い梅雨どきも充実した生活をしていきましょう。