――これまでの作品の中で、特にご自身にとって大きな経験になったなと感じていることを教えてください。

一番最初の『石子と羽男』で川瀬ひなを演じたときに、普段の生活の中で聴く音楽や身に着けるもの……部屋に置いている小物を全部ピンクにしたり、彼女が好きなものにして、そこまで役に入り込むと現場でどれだけ役に切り替えやすいか試したんです。そうしたらすごくやりやすくなって、最初のお仕事でそれを感じられたのは大きかったなと思います。

――今回はそれが犬のぬいぐるみということですね。

はい。これからも小物や身に着けるもの、部屋に置くものなど、何かしら役に合わせて変えて演じていくのかなと思います。

――今後の目標や挑戦したいことをお聞かせください。

最近今後のプランがないんです。以前は「2、3年後こうなっていたい」という気持ちがありましたが、今はとにかく一日一日必死に、いただいたお仕事を全力で頑張りながら毎日を積み重ねていこうという気持ちが大きく、それがいい結果につながると信じてお仕事させていただいています。

――目標を持たなくなったきっかけがあったのでしょうか。

お仕事していく中でたくさんの方々がサポートしてくださっていると感じ、将来どうなりたいというより今ができてないとダメだなと思ったので、とにかく目の前のお仕事に全力で向き合っていこうと思うようになりました。お芝居に対する愛、好きという気持ちを大事に、いただいた役を一生懸命演じられたらと思います。

――プライベートについても少しお伺いしたいのですが、最近ハマっていることを教えてください。

最近読書が大好きで、毎日本を持ち歩いています。これまでは、英語を勉強したいと思ったら英語の本を読むとか、何か目的があって本を読むことが多かったのですが、今年に入ってからただただ読書を楽しむということに目覚めました。伊坂幸太郎さんがすごく好きで、伊坂さんの作品をずっと読んでいます。

――伊坂さんの本が好きになったきっかけは?

幼少期に見た『ゴールデンスランバー』という映画が伊坂さんの作品だと最近知って、あんなに面白いものを書かれた方のほかの作品も見てみたいと思い、いろんな作品を読むようになりました。世界観がすごく面白くて、言葉の選び方も素敵で。どれも魅力的なものばかりで、文字の世界ってこんなに楽しいんだなと、読み漁っています。

――一番のお気に入りを教えてください。

『重力ピエロ』です。家族愛がベースなのですが、立て続けに起きる放火事件があって、そこに主人公の兄弟がどう関係するかというお話で、ものすごく素敵なお話です。

――伊坂さんの作品が映像化された際に関われたらいいですね。

ぜひやらせていただけたらうれしいです!

――最後に『ペンディングトレイン』を見ている方たちに、小春の注目ポイントを交えてメッセージをお願いします。

小春はある秘密を抱えているのですが、その秘密がだんだんこぼれて、にじみ出ていきます。彼女が何を隠しているのか少しずつわかる方にはわかると思うので、そこに注目して見ていただきたいです。

■片岡凜
2003年10月6日生まれ、群馬県出身。2021年4月に開設したTikTokとInstagramが注目を浴び、同年末に芸能事務所・フラームに所属。2022年2月にシンガーソングライター・優里のミュージックビデオで女優デビューし、雑誌のグラビアなどにも出演。2022年、7月クールの『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS)でドラマデビュー。10月クールの『君の花になる』(TBS)と『ボーイフレンド降臨』(テレビ朝日)、今年1月クールの『リエゾン-こどものこころ診療所-』(テレビ朝日)にも出演。『ペンディングトレイン』で4クール連続民放ドラマ出演、そして連ドラ初レギュラーとなった。

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