本格的に海外との往来が再開しつつある中、ゴールデンウィークや夏休みに海外旅行を計画している人もいることでしょう。

現地でのお土産購入を楽しみにしている人も、海外の肉や肉製品の日本への持ち込みができないことを知っていますか?

ソーセージやハムはもちろん、肉まんや餃子など、原料の一部に肉が使われているだけでもNG。日本到着時に肉や肉製品を持っていた場合、没収の憂き目に遭ったり、トラブルの原因になったりしてしまうため、十分に注意してください。

■海外から肉製品の持ち込みはできない

海外から帰国・入国する際に日本への持ち込みが禁止されているものはたくさんあります。そのひとつが肉や肉製品。お土産・個人消費目的であっても、生、冷蔵、冷凍、加熱調理済みの加工品など、あらゆる形態の肉や肉製品は、輸出国の政府機関が発行した検査証明書がなければ日本への持ち込みができません。

注意すべきは、ソーセージやハム、ジャーキーといった肉を主原料とする加工品はもちろん、肉まんや餃子など、材料の一部に肉が使われているだけでも持ち込みができないということ。

検査証明書があれば持ち込み可能とはいえ、一部の国を除き、個人での検査証明書の取得は困難。海外の空港免税店で売っているものを含め、海外の肉・肉製品の日本への持ち込みは原則禁止されていることを理解しておきましょう。

■なぜ肉製品の持ち込みができないの?

なぜこれほどまでに肉製品の持ち込みが厳しく制限されているのか、疑問に思う人もいるかもしれません。

海外では、ASF(アフリカ豚熱)をはじめ多くの家畜伝染病が発生しており、海外から持ち込まれた肉や肉製品を通じて、日本国内で感染が広がる可能性があるからです。

家畜伝染病は人には感染しませんが、ひとたび日本国内に侵入すると、野生動物などを介して全国の家畜に飛び火し、甚大な被害が出ることが予想されます。

■日本到着時に海外の肉製品を持っていたら?

もし、日本到着時に海外の肉や肉製品を持っていたらどうなるのでしょうか。日本に帰国・入国する際に肉や肉製品を持っている場合は、検査証明書の有無にかかわらず、必ず空港の税関検査場内にある動物検疫カウンターで検査を受けなければいけません。

検査証明書がないものは日本に持ち込むことができないため、その場で放棄することになります。動物検疫カウンターに立ち寄らなければ見つからないかというと、そんなことはありません。検疫探知犬が手荷物の中に肉製品などが入っていないか探知しており、鋭い嗅覚で真空パックに入った肉製品も見つけ出します。

たとえ故意でなかったとしても、違法に肉や肉製品を持ち込もうとすると、聴取や罰則の対象になることがあるため、十分注意してください。


ソーセージやビーフジャーキーなど、本場の肉製品をお土産に持って帰りたいと思っても、個人での持ち込みは困難。海外からの肉や肉製品の持ち込みは諦めて、正規の輸入手続きを経たものを日本国内で購入したほうがよさそうです。