小田急電鉄は4月28日より、「HAKONATURE BASE(ハコネイチャー ベース)」を「箱根湯本駅」より徒歩7分の場所にオープンする。

自然体験をテーマに新たな箱根の楽しみ方を地域事業者などと共創・発信するプロジェクト「HAKONATURE(ハコネイチャー)」の拠点となる本施設。

箱根の自然を楽しむ体験プログラムの提供以外にも「THE NORTH FACE」ショップ、クラフトビール醸造所「GORA BREWERY」のビールをタップで楽しめるカフェラウンジも用意される。お披露目会に参加してきた。

  • 「箱根湯本駅」より徒歩7分に位置する「HAKONATURE BASE(ハコネイチャー ベース)」

小田急電鉄による新施設

小田急電鉄取締役社長 星野晃司氏は冒頭の挨拶で「弊社は経営ビジョンの考えから『地域に寄り添い、地域の魅力や価値を高めること』への取り組みを積極的に進めています。その進め方として支援型開発があるのです」と説明する。

主役は地域である地元の住民であり、同社はあくまでサポートする立場。そして、箱根における支援型開発のプログラムとしてハコネイチャーを始動したのだと言う。では支援型開発とはどのようなものか?

「従来の箱根への関わり方は、ロープウェイや芦ノ湖の海賊船、ホテル経営など観光主体のものでした。しかし支援型開発の本プログラムで は箱根の自然体験をテーマとし、それを地元の皆さまと作り上げて発信していく形です」(星野氏)

自然体験の中身は、地元ガイドによるツアーやトレッキング、登山などが想定。徒歩で箱根を散策し、新しい箱根の魅力を発見し、さらには常連として箱根を定期的に訪れてもらうのが目的であり、そこにハコネイチャー ベースが機能するという取り組みのようだ。

またアクティビティの拠点だけではなく、施設内のラウンジスペースでクラフトビールやオーガニックのコーヒーを楽しむこともできる。

  • HAKONATURE BASEでは、箱根・強羅「GORA BREWERY」のクラフトビールなどを楽しめる

さらには、「HAKONATURE LAB(ハコネイチャーラボ)」という機能も持たせ、未来に向けて観光と環境をどうマッチングさせるかを箱根の関係者と一緒に模索していきたい、と今後の展望を明かす。

ザ・ノースフェイスのショップも登場

ここからは施設の中を少し見てみよう。建物は1・2階で構成され、1階にある「THE NORTH FACE」ショップは箱根エリアでは初めてのアウトドアショップとなり、アウトドアギア、箱根限定アイテムが取りそろえられている。

  • 1階の「THE NORTH FACE」ショップ

ザ・ノースフェイスのコーポレートコミュニケーション室 百瀬健太氏へ、本ショップについて話を聞くことができた。

――商品ラインナップの特徴は?

「箱根湯本は観光や温泉を楽しむ方から、トレッキング、山歩きを楽しむ方まで多くの方が立ち寄るエリアです。そうしたことを踏まえ、ベーシックでスタンダードな製品をそろえています」(百瀬氏)

実際、そこまで広くはない店舗には、トレッキングやキャンプ用品、子ども用のアイテムまで幅広く用意されている印象は受ける。

似た考え方の店舗では、石垣島や知床国立公園、長野県の白馬などがあり、利用者のアクティビティをサポートすると言う。当然、その土地ごとに気候が異なるため商品構成は違うそうだ。

「箱根=温泉というイメージが強いですが、実は山も多く自然も豊か。観光客の方にウォーキングなど楽しんでもらえるよう、提案したいと考えています。そのため、知床や白馬の店舗よりはスタンダード、ベーシックな製品が主体です」(百瀬氏)

クラフトビールの販売やコワーキングスペースも用意

その他のエリアも見てみたい。同じ1階の「CAFE LOUNGE」には、箱根や小田急線沿線の小学生が参加したワークショップで製作された木製の家具が利用されている。こうしたワークショップは継続して取り組んでいくそうだ。

  • 存在感のある円形状のベンチ

また中央に置かれた円形のベンチは「プールで使うビート板」の端材を再利用したもの。柔らかいので小さな子どもが寝転ぶこともできる。

  • ビート板の端材を使っているので柔らかい

そして建物の外には、屋外イベントやワークショップを開催予定の中庭、トレッキングから戻った時に足を洗える洗い場などが用意されている。

  • 外に設置された足洗い場

2階にはコーワーキングスペースが設けられ、月額会員9,900円、ドロップイン利用で3時間1,540円、1日1,980円で利用可能だ。

  • 2階にあるコワーキングスペース

小田急は接着剤として機能

これまでの箱根の楽しみ方は「あらかじめ決められた場所を巡る」のが一般的だった。「観光すること」がまずあり、どう過ごすがはその次だった印象だ。

しかし人々の娯楽へのニーズも多様化し、パッケージ化された楽しみ方より、自分の興味を大切にしたいという人もいるはずだ。「地域のみんなで作り出していく新たな箱根のコンテンツ」はそうした人にも魅力的かもしれない。

「地元の関係者など、プロジェクトに関わる多くの人を結び付ける、接着剤としての役割を小田急が担いたい」と言う星野氏の言葉が印象的だった。