――俳優としても経験を重ねられていますが、今の俳優業への思いを教えてください。
今はたくさんの役との出会いを楽しみに待っています。そして、いろんな経験をさせていただく中で、自分の価値観と人の価値観を大事にすると、それが引き出しになるなとすごく感じたので、そういうことを意識して、作品に出演するときに俯瞰で見られる価値観を持っていたり、いろんなものに寄り添える人であれたらいいなと。とにかくここ1、2年はたくさんの役との出会いを重ねたいと思っています。
――いろんな価値観を知ることが、いろんな役を演じる際の引き出しになるということですね。
なる気がします。固定概念を決めないというか、いい意味で疑問を持つことが大事だなと。アーティストと俳優と両方やっていると1日の中でいろんな感情が生まれるのですが、そこは利用していきたいです。また、うわべのような付き合いが嫌いで、人としっかりと関係を築きたいと思っていて、そういうことを大事にしていると、新しい価値観を知ることができるなと感じています。
――人との関係構築をとても大切にされているとのことですが、イベントなどでのトークを拝見していても、人とコミュニケーションをとるのが得意な方という印象があります。昔からそういうタイプでしたか?
もともとの性格は絶対ある気がしますが、環境もあると思います。海外に住んでいた時期もあるのでイエスノー精神があったり、おばあちゃんっ子だったのですが、おばあちゃんも母親も自分の信念を持っていて、人に対する思いやりについてよく言われてきました。母親は人にいろいろしてあげるタイプで、相手が喜ぶ瞬間をよく見てきたので、自分から行動すると喜んでもらえることが多いんだなと感じながら生きてきた気はします。
――BE:FIRSTになってから、俳優業に対する思いに変化はありましたか?
俳優としての活動がグループの認知度や評価にもつながり、入り口が広くなることでいろんなメンバーを見てもらえるようになる。そういう意味でグループにも貢献できるのかなという思いはありますが、自分がやりたいエンターテインメントが基盤としてあり、そこはブレていません。
――本作はご自身にとってどんな経験になっていますか?
榊田を演じてバランスが難しいなと思いました。すごくキャラが立っているわけでもなく、自分と共通している部分もあるので、素のままでいきすぎると自分になる。共通点が近いからこその演じ分けの難しさを感じましたが、脚本に沿ってありのままセリフを言えば自分ではなく榊田になるのだと感じ、脚本の力がすごく大きいと思いましたし、脚本を信じることが大事だと思いました。