――ヤンマは髪型や衣装がツッパリ風というか、少しレトロ調が入っていながら、テクノロジーの国らしい「サイバー」風味も感じられますね。

ヤンマはクラシックカーのミニチュアとか昔の音楽とか、レトロなカルチャーが好きという設定です。衣服は機能性重視で、サンダルを履いているのも楽だからという理由(笑)。髪型はカツラではなく、毎回自分の髪をリーゼントにしてもらっています。最初、ヤンマの髪型をどうするか、上堀内佳寿也監督と何度も話し合って、これに決まりました。僕としては「令和版リーゼント」というイメージで、とても気に入ってます。衣装も最初はまったく違った印象のものを合わせていたんですが、衣装部の方と監督の判断で変更され、今の格好になりました。

――今後、撮影が進むにつれてアクションにチャレンジする機会も増えると思います。ヤンマにはカッコいいアクションの見せ場はあるでしょうか。

銃の腕前がすごい、という設定は聞いているので、ガンアクションがこれからあるのかな……と期待しています。でもヤンマって喧嘩っ早い割にはあまり強くなくて、パンチをしようとして側近にかわされてしまったりするんです(笑)。弱いゆえの「やられ」アクションというのもありますけど、元ヤンキーのヤンマならではのケンカ・アクションを、今後チャンスがあればお見せしたいなと思っています。

――ヤンマで面白いのは「スカポンタヌキ」や「タコメンチ」といった独特なボキャブラリーから出てくるセリフの数々ですね。日常的でない言葉なので発声が難しいのではないですか。

そういったセリフは、オーディションのときにも出てきましたから、噛んでしまわないようすごく気をつけました。苦労はしますけれど、キャッチーなフレーズがあるというのはすごく嬉しいことです。脚本の高野水登さんが考えてくださるんですが、これからも「ヤンマ語録」がどんどん増えていくように、自分なりにいくつか考えているんです。積極的にアイデアを出していって、採用されるよう頑張ります(笑)。

――王でありながら国民と対等に接しようとするヤンマは、テレビを観る子どもたちにも親しまれやすいヒーローになると思います。渡辺さんご自身は、ふだん子どもたちとどんなコミュニケーションの取り方をされていますか。

ヤンマも同じだと思うんですが、特に「子どもだから優しく」みたいに意識をせず「おう、元気か!」って、同じ目線で接しています。たとえば一緒にゲームをやっていても、絶対手加減しませんから(笑)。子どもが得意とか苦手とかではなく、常に自然体でいる感じですね。それだけに、慣れてくると子どものほうからガンガン来られることがありますけど(笑)。

――それは渡辺さんがすごく子どもたちから慕われている証拠ですね。親しみの持てるヒーロー像に期待しています。ヒーローの醍醐味といえば「変身」ですが、初めてトンボオージャーに「王鎧武装」したときの気持ちはいかがでしたか。

いくつかカットを割って、部分的に撮影していくんですけど、まだ途中だというのに顔がほころんでしまって、「まだ(王鎧武装)終わってない!」と自分に言い聞かせながら臨んでいました。心の中では、もう嬉しくて嬉しくて……(笑)。

――それでは、撮影現場でトンボオージャーの姿を見たときも、かなり興奮されたのではないですか。

それはもう、感動しました。最初のころに写真を見せていただいたんですが、実際にトンボオージャーが目の前にいるという状況は、格別でした。この姿に自分がなるのかと思ったら、ヒーローショーを観ていた子ども時代の記憶がよみがえり、ちょっと言葉では言い表せないほどの感情がかけめぐりました。

――『王様戦隊キングオージャー』の見どころを、渡辺さんからお願いします。

個性がバラバラな5人の王様ひとりひとりが成長していく様を1年間にわたって観てもらえるというのは、なかなかない機会だと思います。僕たちが今後、戦いを通じてどんな風に成長していくのかを、多くの方々にご覧いただきたいです。ヤンマとしては、みんなから親しまれる等身大のヒーロー像を目指していきます。どうぞよろしくお願いします!

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