第46回日本アカデミー賞の授賞式が10日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、受賞者たちが登場した。

  • 左から安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡、石川慶監督

    左から安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡、石川慶監督

石川慶監督の映画『ある男』が、作品賞、最優秀監督賞、最優秀脚本賞、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、最優秀助演女優賞、最優秀録音賞、最優秀編集賞と8冠で席巻。

最優秀主演男優賞に輝いた妻夫木聡は「どうしよう。本当に何も考えてなかった。まさかいただけるなんて思ってなかったので。ちょうど10年前、『悪人』という作品でこの場に立たせていただいて、最優秀主演男優賞をいただいたんですけれども、その時は舞台で現場にいることができなくて、中継で受賞することになったので、今回はこうやっていただけて嬉しいです」と語る。

さらに妻夫木は「山田洋次監督に『妻夫木君、"ある"ということが大事なんだよ』と言われたことが残っていて、その言葉を頼りに役を演じさせてもらいました。とにかくこの場にあるということ、存在するということを大事に役をさせてもらいました。日本映画が大好きです。これからも日本映画を盛り上げていけるように、みなさんとまた仕事ができたら嬉しいなと思います」とアピールした。

最優秀監督賞に輝いた石川監督は「もし獲れたらこういうことを喋ろうとか思ってたこともあったんですけれども、今日、功労賞の方々や大先輩の方々の背中を見て、なんかそういうことじゃないなあという感じがして、ちょっと違うことしゃべっています」と明かす。「今日本当にたまたまいただきましたけれども、多分これってバトンなんだなあという感じがすごくしています。先輩方が作った日本映画の大きな大河があって、それを僕らがつないでいくバトンなんだと受け止めております」と厳粛な表情。

さらに作品賞の受賞も発表されると、妻夫木は「監督のデビュー作から一緒で……」と話しながら声を詰まらせ、「ごめんなさい、ほんとうにすいません」と涙を見せる。「僕が1番、彼の才能というものを間近に見ていた自負あがあるので、こうやって認めてくださったのが本当に嬉しいです。おめでとうございます」と祝福。窪田正孝、安藤サクラ、清野菜名といったキャスト陣も集まっており、受賞を称え合っていた。

■「第45回日本アカデミー賞」最優秀賞受賞リスト

作品賞…『ある男』
監督賞…石川慶『ある男』
脚本賞…向井康介『ある男』
主演男優賞…妻夫木聡『ある男』
主演女優賞…岸井ゆきの『ケイコ 目を澄ませて』
助演男優賞…窪田正孝『ある男』
助演女優賞…安藤サクラ 『ある男』
音楽賞…RADWIMPS、陣内一真『すずめの戸締まり』
撮影賞…市川修、鈴木啓造『シン・ウルトラマン』
照明賞…吉角荘介『シン・ウルトラマン』
美術賞…林田裕至、佐久嶋依里『シン・ウルトラマン』
録音賞…小川武『ある男』
編集賞…石川慶『ある男』
アニメーション作品賞…『THE FIRST SLAM DUNK』
外国作品賞…『トップガン マーヴェリック』

新人俳優賞…小野花梨『ハケンアニメ!』、菊池日菜子『月の満ち欠け』、福本莉子『今夜、世界からこの恋が消えても』、生見愛瑠『モエカレはオレンジ色』、有岡大貴『シン・ウルトラマン』、番家一路『サバカン SABAKAN』、松村北斗『ホリック xxxHOLiC』、目黒蓮『月の満ち欠け』

話題賞 作品部門…『ONE PIECE FILM RED』
話題賞 俳優部門…松村北斗『ホリック xxxHOLiC』『すずめの戸締まり』

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