京都鉄道博物館は23日、JR東海に所属するHC85系・キハ85系の特別展示に合わせ、報道公開を実施した。京都鉄道博物館でのJR東海の車両公開は初となる。大阪駅からも運転される高山本線経由の特急「ひだ」の新旧車両がそろった。

  • 京都鉄道博物館にJR東海の車両HC85系(写真左)・キハ85系(同右)が展示された

HC85系は2022年7月1日にデビューした新型特急車両。現在は特急「ひだ」の運用に就き、3月18日のダイヤ改正後、特急「ひだ」の定期列車はすべてHC85系となる予定。2023年7月から特急「南紀」に投入することも報じられている。

HC85系における最大の特徴は、駆動システムにおいてエンジンと蓄電池(バッテリー)を組み合わせたハイブリッド方式を採用していること。これにより、従来比で燃費35%向上、二酸化炭素排出量3割削減を実現している。その功績が評価され、HC85系は国土交通省の発表する第21回「日本鉄道大賞」に選ばれた。

  • HC85系は3月18日から大阪駅発着の特急「ひだ」にも使用される

  • ハイブリッド方式を採用したことがHC85系の特徴に

  • HC85系は「クモハ」「クハ」など電車と同様の表記を用いる

キハ85系は、国鉄時代から活躍したキハ82系の置換えを目的に、1989(平成元)年から登場した特急形気動車。米国カミンズ社製のディーゼルエンジンにより、大幅なスピードアップを実現した。大型連続窓も特徴で、眺望をより楽しめる車両に。キハ85系をはじめ、同じく大型窓を採用した383系・373系の特急列車は、2021年3月まで列車名に「ワイドビュー」を冠していた。

2月23日から始まった特別展示では、2両固定編成のHC85系(D105編成)に加え、キハ85系も両先頭車を連結した2両編成となり、京都鉄道博物館の本館1階「車両のしくみ / 車両工場」に展示された。車内見学はできないものの、車体や床下機器をじっくり観察できる。

  • 特急形気動車のイメージを大きく変えたキハ85系

  • 車体側面の連続した大型窓がキハ85系の特徴

  • キハ85系のデビュー当初に作成されたパンフレット

今回、1989(平成元)年・1990(平成2)年に作成されたキハ85系のパンフレットも展示された。パンフレットの内容はパネル解説を通じて把握できる。パンフレットの横には、リニア・鉄道館が所蔵するキハ85系「ワイドビューひだ」のオレンジカードも。オレンジカード自体が貴重品となりつつあるだけに、注目に値する展示物といえよう。

JR東海の担当者によれば、今回の特別展示に関して、3月18日のダイヤ改正で大阪駅発着を含む特急「ひだ」の全定期列車がHC85系に置き換えられるタイミングを意識したという。なお、展示しているキハ85系は今後も営業運転に就く予定とのことだった。

  • キハ85系「ワイドビューひだ」のオレンジカード

  • パネルを通じてパンフレットの内容を確認できる

  • HC85系・キハ85系の関連グッズも販売される

京都鉄道博物館でのHC85系・キハ85系の特別展示は3月5日まで開催予定。特別展示に合わせ、旧二条駅舎内のミュージアムショップにて関連グッズも販売される。HC85系アクリルキーホルダー(850円)、キハ85系アクリルキーホルダー(850円)、HC85系&キハ85系A4クリアファイル(350円)といった商品が用意された。なお、関連グッズは売り切れ次第、販売終了となる。