東京商工リサーチは2月17日、「金融政策に関するアンケート」調査の結果を発表した。調査は2月1日〜8日、資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業などを含む)を中小企業と定義した上で4,139社を対象に行われたもの。

  • 資金調達の借入金利は今後どのように変化すると思いますか?(全企業)

まず、2022年12月の日銀による金融政策の変更を受け、資金調達の借入金利は今後どのように変化すると思うか聞いてみた。

すると、最多は「今年(2023年)中に上昇する」で回答率は55.5%となった。「来年以降、上昇する」は23.4%で、合計78.9%が今後の上昇を予想している事が分かった。一方で、「下落する」と回答した企業は、1.8%にとどまっている。

「今年中に上昇する」の回答率を規模別でみると、大企業は56.8%、中小企業は55.3%となっている。また、「来年以降、上昇する」の回答は、大企業が21.5%、中小企業が23.7%で、それぞれ合わせて8割弱が金利上昇に言及した。

  • 資金調達の借入金利は今後どのように変化すると思いますか?(資本金1億円以上510社)

  • 資金調達の借入金利は今後どのように変化すると思いますか?(資本金1億円未満3629社)

次に、日銀が金融政策を一部修正して以降のメインの取引金融機関のスタンスについて尋ねてみた。すると、19.9%は政策変更後に金融機関とやりとりがなく、56.2%は金融機関と金利に関する話し合いをしていない事が分かった。

  • 日本銀行による金融政策の変更に関連して、今後の資金調達の借入金利について、メインの取引金融機関からどのような説明がありましたか?(全企業)

ただし、2.2%が「金利引き上げをはっきり伝えられた」、16.3%が「金利引き上げの可能性を示唆された」と回答しており、合わせて18.5%の企業がすでに金融機関から金利引き上げに言及されている事も分かった。

「金利引き上げをはっきり伝えられた」または「金利引き上げの可能性を示唆された」と回答した企業を業種別で分析したところ、構成比の最高は、「窯業・土石製品製造業」の37.2%であった。以下、「物品賃貸業」が37.1%、「鉄鋼業」が32.4%で続き、設備投資など多額の事業資金の投入を要する業種が上位を占めた。

  • 「金利引き上げ」業種別(上位15業種)