東海テレビ・フジテレビ系ドラマ『三千円の使いかた』(毎週土曜23:40〜)にて、葵わかな演じる美帆の父親・和彦役の利重剛が、11日に放送される第6話の見どころや、自身の「お金との付き合いかた」を語った。

  • 利重剛 =東海テレビ提供

――多くの作品でお父さん役を演じておられる利重さんですが、今回の和彦はいかがですか?

和彦は、これまで演じてきたなかでも最も無口な役ですね。特にドラマの序盤では、本当に寡黙(笑)。ただ、今回のような台詞のない役のほうが意外と難しくて。喋らない分、「どのように伝えようか」等、考えることは多いと思います。そこで心がけているのは「顔で説明をしない」というか、分かりやすい表情を作らないこと。でも現場の雰囲気が明るいので、ついついそっちに引っ張られそうになるんですよね。

――同年代として、和彦さんに共感できる部分はありますか?

私も妻と娘という女性に囲まれて暮らしているんですが、全員がよく喋る家庭なので……。でも二人が喋っていると、確かに言葉少なになる時もありますね。家族が楽しそうだと、黙っていても心地いいんです。和彦もそうなんじゃないのかな。家族の楽しげな雰囲気を見ていて、よかれと思って口を出さないでいたら話に加わるタイミングを逸したまま数十年が経過して……本人も困っているんじゃないでしょうか。

――利重さんの「お金との付き合いかた」は?

年を重ねると、夫婦二人の老後の資金もそうだし、子どもをちゃんと社会に出してあげるためのお金もそうだし、若い頃と違っていろいろとお金について考えますよね。だからというわけではないですが、自然と倹約するようにもなりました。煙草も吸わなくなったし、お酒もそれほど飲まなくなったし……。高価なモノを買うこともそれほどないけれど、妻と娘が楽しそうに話しているのを見ると、これで十分だなって思えるんです。ドラマのタイトルではありませんが、「三千円で何日分くらいの食費になるのかな」なんてチャレンジを考えたりするのも結構楽しいですね。

――視聴者へのメッセージをお願いします!

私も若い頃は「お金なんて、ないならないでいいじゃん」と思っていたのですが、家族が増えればそうもいかないし、いろいろと考えることも出てきます。このドラマでは、そんな我々世代や上の世代、下の世代それぞれの、お金に対する考えかたが描かれています。どれも「自分とは違うな」ではなく、「どの人の気持ちも分かる」という内容になっていると思います。そして第6話では、和彦がそれまでと打って変わって喋るようになります。それまでの喋らない役柄に慣れてきたところだったから、私も台本を読んでビックリしました。何が彼に起きたのか、寡黙だった和彦が何を考えてきたのかが分かる回なので、ぜひ楽しみにしていて下さい。